劇場公開日 1966年8月13日

「ハッキリ言ってマンネリ」大魔神怒る あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ハッキリ言ってマンネリ

2020年3月19日
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1966年8月公開
前作が同年3月公開だからたったの5ヶ月で撮っているわけですがクォリティーは維持されています
むしろ前作の反省点をしっかりと生かしており、出来映え、完成度は高いといえます
主人公の本郷功次郎も、ヒロインの藤村志保も素晴らしい
特に藤村志保の美しさは特筆もの
その彼女が張り付けにされ火炙りにかけられる映像はいけない嗜好をそそるものです
前作はガメラ対バルゴン都の併映でしたが、本作は座頭市との併映なので、完全に大人路線で子供は相手にしていないということです
特撮も屋根瓦の崩落など見事なミニチュアワークで技術も向上しています
霧の立ち込める湖水を舟が進むシーンは、あの溝口研二監督の名作雨月物語を彷彿とさせる程の美しさ
本編も流石、三隅研次監督と言える時代劇です

ただ基本的物語の構造は同じです
ハッキリ言ってマンネリです
どうなるか結末は観客全員が分かっているのですから発展性のない作品と言うしかありません

大映京都撮影所は、自身の得意な時代劇で特撮をやるにはどのような作品が撮れるのか考えなければならないということです

その答えは早くも4ヶ月後の同年12月のシリーズ第三弾大魔神逆襲として出されることになります
なんと大魔神シリーズは1年の内に三作も作られたのです
しかしそれはこのシリーズの息の音を止める事になってしまうのです

妖怪という結論にいたるのはその失敗を経ないと気付けなかったのです

あき240