劇場公開日 1975年4月5日

「網走番外篇」大脱獄(1975) 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5網走番外篇

2024年3月23日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

単純

興奮

元々は渡哲也が高倉健との共演を熱望した企画。
そこに菅原文太や歌謡界から五木ひろしの名も挙がり、実現していたらスゲー豪華共演になっていたろうが…、
渡哲也が病気降板、五木ひろしが諸事情で降板。
結果的に『網走番外地』の石井輝男監督と高倉健のタッグに『仁義なき戦い』の菅原文太という、これはこれで豪華なトリオではあるが…、
何だか色々ごたごたが作品を表しているかのよう。

極道仲間の剛田と銀行強盗をするも、罪を着せられ死刑となり、網走刑務所送りとなった梢。
他の死刑囚と共に脱獄。罪を着せただけじゃなく、妹とその娘を殺した剛田に復讐する為に…。

『網走番外地』コンビなので刑務所アクションかと思いきや、序盤で早々と脱獄。
梢が銀行強盗犯と知り、脱獄した死刑囚の一人・国岩が山分け狙って周りをうろつく。
アウトロー二人のバディムービーと思いきや、梢は一人ふらりと立ち寄った町で体調を崩した女を助ける。
情感たっぷりのメロドラマにと思いきや、再会した国岩から剛田とその黒幕の事を聞き、敵が乗る列車に乗り込む…。

刑務所脱獄、アウトロー、メロドラマ、復讐アクション…と十八番とも言える要素を詰め込んだはいいが、話共々支離滅裂。
罪を着せられたのに、結局復讐殺人を犯すというオチ。
健さんも今回はあまり漢の魅力を発揮しているとは言えず。
クセ者な文さん、憎々しい田中邦衛、その頭が吹っ飛ぶバイオレンス、無駄なエロスくらいしか印象残らず。

近大