千羽鶴(1969)のレビュー・感想・評価
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川端康成原作の映画
川端康成原作なのだが、すごい展開を見せるドラマ。
冒頭に「ノーベル文学賞受賞記念」のテロップ✒️
鐘がなる鎌倉の寺が、オープニングシーン。
平幹二郎は鎌倉から東京まで通勤している会社員。
彼の親父=船越英二には愛人がいて、はじめは京マチ子だったが、若尾文子に乗り換えて亡くなった。船越英二と平幹二郎が親子を演じているが、同一ショットには映らない。
そんな平幹二郎が若尾文子の虜になる。
平幹二郎は「初めて抱いた時は復讐のような気持ちでした。しかし、だんだん、奥さんのひたむきな気持ちが分かってきたんです。」という感情のようで、「『生まれたままの女』、『人間以前の女』いや『人間最後のような女』のような気がして好きになりました」という平が若尾に話すセリフは名言。
その発言に対して「嬉しいわ、ありがたいわ。もう死んでもいいわ。」という若尾文子のセリフも気持ちがこもっている場面。
その後も物凄い展開を見せるのだが、割愛。
カラー映画なので若尾文子はとても綺麗だが、はかなくも愛に生きた女を演じている。
京マチ子は、平幹二郎の近くにまとわりついて「お節介で嫌な女」を演じているが上手い。
原作は未読であるが、川端康成の原作だけあって、会話が文学的な感じがする映画である。
また、増村監督であるから、濃厚な情欲場面を織り交ぜながらの映像が繰り広げられる作品となっており、洗練された美しさ。
この映画の初見は2013年、11年ぶりに購入DVDで鑑賞。
一回目よりも、女性たちの気持ちの揺れが伝わって来た。
なお、DVD特典映像に「特報」と「予告編」があり、これらは本編の別カットなどで構成されていてお得感あり(^^)
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