「低予算への挑戦」ゼイラム odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
低予算への挑戦
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結論から言えば、別に作り手に興味のない人が観たら、箸にも棒にもかからない典型的なB級映画と言うでしょう。特撮ヒロインものが好きな人やB級SFマニアには受けるかもしれません。
いかに低予算でSF映画を作るかのお手本のような作品ですね。登場人物も絞って、ビルを倒す代わりに倉庫でビールケースを薙ぎ払うと言う開き直ったようなジョークも笑えます。
主役のゼイラムはエイリアンの生物兵器と言う割にはちょっと大きめの木枯し紋次郎のような風貌で登場BGMはなんと読経、エイリアンの口を真似たろくろ首には能面をしつらえるという妙な和テイストの化け物です。
武器は銃器と手槍、動きも鈍重でもっぱら怪力で暴れるくらいです、ウルトラ7の怪獣カプセルのように手下のミニエイリアンを繰り出しますが役立たず、電気工がパワーショベルで戦うのはエイリアン2もどき、ターミネータのようにスケルトンで再生する技まで繰り出してオマージュてんこ盛り、仕留めたかと思わせて第3形態まであったとはシン・ゴジラも顔負け、監督は根っからのSF好きとうかがえる。
街を壊すとまずいのでとこじつけるがセットにお金がかかるので戦闘エリアをご町内に限定するゾーニング、照明も最低限だが粗も目立たず不気味さを演出する一石三鳥の撮影手法、お金は無いけど知恵はあると言わんばかり。ただ尺を稼ぐためにつまらない電気工の与太話が長すぎるし、肝心な時に装置の故障の言い訳が鼻につきます、テンポをいかに上げるかが課題でしょう。
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