聖獣学園

劇場公開日:

解説

修道尼だった母親の死因をつきとめるべく修道院に入った娘が、母を死に追いやった司祭たちに復讐する。原作は、鈴木則文・作、沢田竜治・画の同名劇画。脚本は「恐怖女子高校 アニマル同級生」の掛札昌裕、監督は脚本も執筆している「まむしの兄弟 恐喝三億円」の鈴木則文、撮影は「女囚さそり けもの部屋」の清水政郎がそれぞれ担当。

1974年製作/91分/日本
配給:東映
劇場公開日:1974年2月16日

ストーリー

修道尼だった母・美智子の死因をつきとめるべく修道院に入ることを決意した多岐川魔矢は、夜の手配師青木健太に体を与えた次の日、セントクルス修道院の肋修女となった。院長小笠原綾、副院長松村貞子に助修女の部屋に案内された魔矢は、少年刑務所出身の石田松子、清純な北野久子、丘珠枝、小野塚薫等と同室になった。意気投合した魔矢と松子が、松村に逆らう態度を見せたために、松村は、修道尼の美恵に彼女たちの監視を命令した。だが、魔矢は逆に、美恵の弱味を握り、彼女を使って院長室に忍び込んだ。そして、一冊のノートの中に、魔矢の母が心臓麻痺で死亡、と記されてあるのを見付けた。死因に不信を抱いている魔矢は修道院で最も古い賄婦菅野さちに尋ねるが、彼女は何も話してはくれなかった。修道女たちから大変人望のある司祭の柿沼が修道院を訪れた。柿沼は院長と肉体関係があり、二人で修道院の金を私欲に用いていた。さらに柿沼は、人望の厚いのを利用して、北野久子を犯し妊娠させてしまった。一方、魔矢は松村が欲求不満に陥っているのを知ると、青木健太を修道院に忍び込ませて松村を犯させた。以来、松村は男狂いになってしまい、彼女の代りにローマよりナタリーが着任した。ナタリーは司祭と結託して教会の魔女狩りを行い、その責任を全て院長に取らせ、自分が院長になるべく企んだ。久子が妊娠しているのが判明し、リンチが加えられた。やがて久子は舌を噛んで自殺した。数日後、病床についている菅野さちから、母の死因は自殺で、その理由は院長が知っている、と聞かされた魔矢は、院長を問いつめ、母は柿沼に妊娠させられてしまったために自殺したことを知った。魔矢は彼女を毒殺しようとして反対に殺してしまったナタリーになりすまし、柿沼に抱かれた。だが、魔矢が自分の実の娘だと知った柿沼は、いままでに戒律を破りつづけてはいたものの、さすがにショックで絶叫して崩れ落ちた……。やがて、復讐を終えた魔矢は、修道院を出て、もとの平凡な娘に戻るのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0多岐川裕美の衝撃デビュー作

2022年12月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

「聖獣学園」は修道院が舞台のエロティック・バイオレンス。修道女だった母の死因を突きとめるため、修道院に入る多岐川魔矢の復讐と惨劇が始まります。主演の魔矢役でヌードを披露し、拷問シーンなど体当たりの演技を見せた多岐川裕美の衝撃デビュー作。芸名は主人公の多岐川を取って、多岐川裕美としている。共演は、魔矢と知り合う夜の手配師・健太に谷隼人、修道院の院長に森秋子、副院長に三原葉子、少年刑務所出身の助修女・松子に山内えみこ、清純でひたすら神を信仰する久子に渡辺やよい、本部の司祭に渡辺文雄などの魅力的なキャストが揃った。監督は「トラック野郎シリーズ」全作を手掛けた鈴木則文。藤純子演ずる「緋牡丹博徒シリーズ」の脚本を手掛け、緋牡丹お竜のキャラクターを確立させました。任侠・ポルノ・格闘・アクション・漫画など多彩なジャンルの作品を発表しており「女番長シリーズ」など不良性感度のB級娯楽映画を良識ある人々から批判されながら撮り続けました。映画賞などとは終生無縁でしたが、映画界への功績は大きい。サービス精神にあふれた鈴木則文ワールドを堪能されたい。

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papatyan

3.0渡辺文雄を見る映画

2008年5月27日

笑える

怖い

多岐川裕美のマボロシのデビュー作(黒歴史ともいう)。こう毎度毎度渡辺文雄を見ていると、文雄見に行ってんだか、名和広見に行ってるんだかわからなくなりますな。個人的には毎回三原葉子がオナる(with多彩なズリネタ…張り型、バター犬、洋ピン等)のを見続けて幾星霜という気もしますがまあいいや。ストーリーは多岐川裕美が死んだお母さんの謎を探求するため男子禁制の女の園修道院に潜入し、母を殺した人々に復讐するというもの。多岐川裕美のお人形さん的美貌(とちょっとタレ気味のパイオツ)が見所。ストーリーはケレンミの連続というかそればっかりというかなんつーか、まあプルコギを食べた後にフォアグラ食って満漢全席に挑むみたいな感じ。谷隼人+タコ八郎というメンツで腹いっぱい、ゲップがでるあたりでドーンと渡辺文雄という、まさに胃袋の限界に挑戦という趣です。満腹のあまり苦しくなってくるとすかさず三原葉子が谷隼人に(よがりまくって)犯されて「32歳と4ヵ月守り通してきた純潔をおぉぉおおお」とか絶叫するし。いやそれはさすがに嘘だろお前!という観客の突っ込みは全て多岐川裕美の能面顔と渡辺文雄の濃すぎる演技で虫下しされるのであった。それはさておき、内容的には、唐突な司祭(渡辺文雄)の長崎被爆体験の告白やらに代表される陰々滅々といった展開で、画面色調も暗く、いつもの鈴木則文監督作品のような明るさがない分冗長で、いささか刈り込み不足という気がする。(あと谷隼人にはもうちょっとコメディリリーフとして登場して欲しかったな)多岐川裕美の白い柔肌にぎりぎりと食い込む茨のつる!降り注ぐ鞭!飛び散る鮮血!女の園で繰り広げられる痴態!司祭様、大きいのはお鼻だけじゃないのねとおすがりする女体の蠢き!なお、本作品で初めて「この物語はフィクションであり実在の」云々という脚注を見た。徳川セックス禁止令ですらでなかったのに。VIVA!大人の事情。

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瑠璃子