劇場公開日 1965年6月25日

「傑作か傑作ではないか」清作の妻 タンバラライさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0傑作か傑作ではないか

2025年1月30日
PCから投稿

終始 ものすごく重たい音楽が流れ、ものすごく暗く ゆっくりと物語が進む。そして そんな感じで終わる。これは一体何を描きたかったのだ?しっくりこないものが心に残った。駄作?・・ 最後に主人公の言う メッセージも口で言っちゃだめでしょう 。メッセージは心に伝わってくるものでないと。これは 私は失敗作の部類と思いますが ただ若尾文子がいつもと違う役をやってる点だけが 評価に値します
と、一回書いてみたのだが・・
この映画が作られたのが1965年ということが少し面白いと思った。 設定は 明治時代。 1965年まで田舎の村社会はこれと同じような状態だったと思う。当時はまだ村八分にされるということが、ほぼ死刑宣告 みたいな重みがあった。長老の命令は絶対で、例えば 寺を回収するとなると 「お前はいくら出せ」と命令だったそうだ。おそらく1965年当時は村のいじめ体質みたいなものがまだまだ強く、モラルやポリシーは褒められるものではなかったものと思われる。「 お前ら50年前と変わってねえぞ 」みたいな。これは そんな世の中に一石を投じたという意味では勇気ある作品であっただろう。 そして価値ある作品であったであろう。夫婦の愛とかを描いたように見せかけて実は村社会とか当時の一般人の人間性の低さ みたいなものを強烈に批判している映画かなと思った。

タンバラライ