砂の女のレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
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虫取りが趣味で、真剣にセカンドライフにしようとしてる学校の先生が蟻地獄の様な場所に捕まってしまう不条理劇で、流砂が生き物の様に撮影される映像と、ギラつく肌にまとわりつく砂粒、展開が読めない「砂の女」の低姿勢な、発言 態度 行動、そして恐らく砂が降る中でのカメラを守る撮影が大変だったであろう「裏日本」映画。
現代では「裏日本」なんて言わないが日本人達の都会と田舎の格差ギャップを台詞の言い回しで表現してたと思う。
オープニングの「印鑑」での苗字の表現方法、「各種証明書」の種類を全部言おうとする特定主義が「型にはめられる世界だけでは無い」世の中を表現しているのか?
序盤の"虫男"と"砂女"の会話が噛み合わないのが面白いが、後の"不条理"と"違和感"への予兆になる様に上手く作られている。
映画撮影は静岡県小笠郡浜岡町の千浜砂丘で行われた。
そもそもなんで男は砂女の所に降ろされたのかる? 砂女は何故こんな仕事をしてるのか? 村人たちの目的や利益は?
なんと「砂ビジネス」が理由だったとは、、
見所でもある「脱出、逃亡」のシーンでの複数の懐中電灯の灯りが闇夜を追ってくる演出。脱出は失敗したが、しかし新しい趣味を見つけて、教師の仕事を捨てる決心をしたのか、脱出よりも「それ」に没入する男。徐々に世捨て人になって行くが、それは村人から強制された事では無くて 自身で見つけた新たなセカンドライフなのか?
35mmフィルム上映にて。
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