スウィートホームのレビュー・感想・評価
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なに召されてるの!?
今夜(2024/06/08)観ました。
Youtubeにぶつ切りでアップされているもので、画質音質ともに良好とは言い難いクオリティでしたが、エンドロールまで観終えることができました。
日本のとある場所にある間宮邸に壁画があるとの事でテレビクルーが赴き酷い目に遭う、みたいな話です。
まず第一に気になるのはレベッカのNOKKO扮するエミの実年齢でしょう(笑)子供っぽい服装に子供っぽい話し方ですが、見た目はどう見ても二十代で困惑します😅
次に、ホラーを謳いながら非常にスロースターターで、オープニングから気分がダレます。わざとらしい音楽も耳障りで、恐怖映画を観ている気分が削がれます。
全編セット感は否めず、“引きのシーン”はほぼ皆無です。暗いシーン、アップのシーンが目白押しで誤魔化し感は拭いきれません。
古舘伊知郎、黒田福美、伊丹十三がこの映画の犠牲者ですが、古舘伊知郎は胴体を切断されて助けを求めているだけなのに黒田福美にスパナで殴り殺されてちょっぴり不憫でした😅…黒田福美もその後斧で頭を割られて死にますが💧
おいしいのは伊丹十三で、勇ましい歌を歌いながら間宮夫人に挑み、エミちゃんを救出したのち全身がちょっとずつとろけて白い汁を穴という穴から垂れ流して最期はガイコツになって崩れ去ります。
恐れ慄きつつも一部始終をしっかり見届けてから逃げる宮本信子、山城新伍、NOKKOの3人の姿に勇気を貰いました(笑)
その他、間宮夫人の悪趣味なデザインの服を着た宮本信子の姿に複雑な気分になり、最終的に間宮夫人(自分の子供と同年代の子を次々に生きたまま焼却炉に入れて焼き殺していた張本人)は、自身の子の亡骸と再会し、まるで清廉潔白だったかの様な女神の微笑みをたたえて天国へ召されていきました。…これは絶対に看過できません。理由はどうあれ無差別に無垢の子供を焼き殺していた殺人鬼が、浮かばれていい筈がありませんから。
80年代として最新鋭の特殊メイクを駆使して、恐ろしい映像を作り出した点は評価出来ますが、諸々踏まえて考えると星ふたつが限界です。
タイムカプセルとして観ると面白いですし、ホラーとして観るよりはおかしな点に注目して観る方が万倍楽しめると思います。
宜しければどうぞ。
ついに見た~!
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間宮という有名な画家が住んでた屋敷は幽霊屋敷化してた。
そこにTV関係者5人が取材で入り込む。
カメラマンの古館が庭の供養塔を壊し、悪夢がスタート。
まず霊感の強いレポーターの福美が霊に取りつかれ、
古館は霊に焼き殺され、福美も落下して来た斧で死亡。
さらに山城の娘・NOKKOが霊にさらわれる。
山城と信子は近所の老人・十三から屋敷の秘密を聞く。
息子が焼却炉にいるのを知らずに焼き殺した夫人が発狂し、
近隣の子供をさらってそこで焼き殺し続けたんだそうな。
それが近隣住民にバレると、今度は自らそこで焼け死んだ。
古館に息子の供養塔を壊され、夫人の霊が怒りで蘇った。
十三は「心の力」を使いこなし、見事にNOKKOを救出。
でも自身は夫人の霊に焼き殺されてしまった。
3人は屋敷から脱出を試みるが、再びNOKKOがさらわれる。
山城と信子は一旦脱出に成功、が山城は屋敷に一人戻る。
信子は信子で、供養塔下の息子の死体と共に屋敷に戻る。
で心の力を唱えながら、姿を現した夫人の霊と対峙。
そして見事にNOKKOを救出、しかしやまない夫人の攻撃。
するとNOKKOが夫人の息子の死体を夫人に差しだした。
それにより急におとなしくなる夫人。そして急に成仏。
こうして2人は脱出に成功。山城もちゃんと生きてた。
ってか信子とNOKKOが頑張ってる間、何してたの?w
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ホラー映画は怖いので基本的に見ない主義やけど、
この作品はもう30年くらい、ずーーーっと見たかった。
理由は簡単、好きなNOKKOが女優をした唯一の作品だから。
CSで放送がないか毎月毎月確認して来たが、一切なし。
何で?と思って改めて調べてみると、権利の関係っぽい。
DVD化もされてないし、永遠に放送されることもなさそう。
でも何と素晴らしいことに、YOUTUBEにあった!
ということでついに見ることができた。
ホラーとは言え、全然怖くなくて良かったわ。
今の時代の感覚からは、いい意味でチャチくて怖くない。
突然大きな音が鳴るとか、突然何かが大写しとかも無し。
最後の間宮夫人の霊は結構グロテスクで少し怖いけど、
遠くの方から徐々に近づいて来てくれる。実に親切w
待望のNOKKOも、専業じゃないから演技はうまくないが、
昭和の娘のぶっ飛んだ感じが最高。多分、地やなw
色々古臭くて、懐かしいもの好きの心が満たされたわ。
あと信子が格好良過ぎる!
中盤くらいまでは山城が主人公なのかと思ってたが、
終盤は信子の一人舞台(+少しだけNOKKO)やった。
良質ホラー
まず最初の役場のシーンが素晴らしくていきなりテンションMaxになる。
洋館内部の描写も素晴らしい。計3名が亡くなるが、それぞれこってり時間をかけて楽しませてくれる。
後半は宮本信子劇場となり、黒沢清ではなく伊丹十三の映画になってしまうのが残念といえば残念。
今となってはまともに観る方法がないのが残念だが、日本ホラー映画史に残る傑作だと思う。
黒沢清監督・幻の初メジャー作品
監督は伊丹十三ではなく「黒沢清」です。間違えられやすいけど。
当時、CMでも随分流れていたし、誰でも知ってる有名作品のような気でいたが、実はすっかり知る人ぞ知るマイナー作品になってしまっているのね。
ヒルコが塚本晋也監督の初メジャー映画ならば、こちらは黒沢清監督の初メジャー。
(当時はすっかり、伊丹十三による伊丹十三の為の映画、だと思い込んでいたがw
大人で良い役なのは伊丹十三(山村)と、リア奥さんの宮川信子(秋子)だけだもん。
当時、人気ロックバンド「レベッカ」で一世風靡していたNOKKO(エミ)も、割と好演している。)
「マイナー」だとか「幻の」になってしまっているのは、ビデオ化に際して若き日の黒沢監督が伊丹プロを提訴した為。
黒沢氏の敗訴によりビデオ化は是認されたが、結局どこもDVD化していない。
ついでに黒沢氏を使おうとする映画会社も無くなっていく。「面倒くさい奴」というレッテルを貼られたのだろう。
ビデオカセットは当然とっくに絶版だし、VOD調べてみたけど、少なくとも今日はどこも扱ってないね。
しかしだね。NHKが「世界のクロサワ」とか放映するからてっきり黒澤明かと思えば黒沢清だった。
まぁ、それが「令和」って時代なのかな。変化は受け入れていくべきか・・・。
黒沢ホラーの原点という事になるが「黒沢監督らしさ」の片鱗はすでに打ち出されている。
一つ目は「廃墟」
黒沢監督がピーター・カッシングのフランケン・シュタインやクリストファー・リーのドラキュラに代表されるゴシックホラー好きである事は間違いない。
「廃墟となった田舎の洋館」(しかも城レベルにゴージャスな)が、不穏さ・不気味さを増幅する装置として設定されている。
二つ目はビジュアル重視の美術やセット。「こんな家、日本にある?」なんてリアリティ追求の野暮は言いっこ無し。今ならダーク・ファンタジーと言った方がわかりやすいかもしれないが、黒沢作品は敢えてゴシックロマンと呼びたい。
三つ目は「唐突な恐怖と死」
早めに1回、ゴアシーンを盛り込むことで「いつ、恐怖シーンが来るかわからない!」という緊張状態に観客を持ち込む事を明確に狙っている。
これだけ視聴困難なレア作品になっちゃったなら、あらすじも書いた方がいいのかなぁ?
いや、検索すればあらすじ書いてるサイトがHITするから知りたい人はそちらをどーぞ。
私は「ファミコンソフト」を何度も何度もクリアしたから、あらすじは忘れようにも忘れられないくらい覚えています(笑)
最近のJホラーと違い、バッドエンドではないから、嫌いじゃない。
とりあえず配役書くね。
田口、無神経で浅はかなトラブルメーカー。若い女好きでアスカを気にしている。
アスカ、美人だが、プライドが高く気難しい。やや高慢な印象も。
和夫、気弱で優柔不断。鈍感なくせに頑固。妻を早くに亡くし、娘のエミと2人暮らし。
秋子、聡明で謙虚で勇気と行動力を兼ね備える素晴らしい女性
エミ、秋子を慕い、父と秋子が互いに好意を抱いている事を歓迎している。
山村、何でも知っている豪胆で頼りになる老人
はい、ここで問題です。
「最初のゴアシーンの餌食になるのは一体 誰でしょう?(笑)」
本作で特筆すべきは「エクソシスト」などの特殊メーク第一人者、ディック・スミスにSFX指揮を引き受けて貰えた事でしょう。
間宮夫人の特殊メークは四谷怪談のお岩さんがモチーフ。中川信夫監督の名作「東海道四谷怪談」をディック・スミスに観せて、練り上げていったそうだ。
山村役は、てっきりプロデューサーだからだと思っていたが、真相は「伊丹十三がスミスさんにメイクして貰いたかった」という事らしいね(笑)
あの伊丹十三が、はにかんだようにもじもじと黒沢監督に告げたようだから微笑ましいw
脚本に対しては
「地下室に向かう前に、和夫が拾った土偶を返していれば、山村は死なずに済んだんじゃないの?」とツッコミ入れたものだが、それだとメイクして貰えなくなるからダメなんだな?(爆笑)
ディック・スミスの手がけた特殊メーク作品を挙げれば
「真夜中のカーボーイ」「エクソシスト」「ゴッド・ファーザー(マーロン・ブランド)」「タクシー・ドライバー(ロバート・デニーロ)」と錚々たる名作揃い。
「アマデウス」の老サリエリでは、アカデミー賞のメイクアップ賞を受賞する。
この中に「スウィートホーム(日本)」って並んじゃうんだから、ちょっと凄くないか?
一度メークを施したら、必要なシーンは出来るだけすべて取り終えてしまわねばならない。役者にもスタッフにも大変な撮影である。
今ではすっかりCG技術に置換されてしまった分野だが、丁寧に作り込まれたSFXメーク技術ならではの質感を味わって欲しい。(特に山村さんw)
終盤まではこわいぞ!
USの特集効果を招いての映画
監督も日本の基準をハリウッドにまで上げるといきこんで作ったそうですが
ラストのクリーチャーは怖くない(笑)
当時なら スゲー!アメリカみたーい!
って称賛が上がったのでしょうが、豪華な特殊効果よりも
影が壁や天井を這う画や、
がんばって工夫して撮ったであろう特撮部分の方が実に映画的で素晴らしいなと思いましたね。
映画で飯が食えてた時代でしょうからスタッフも監督も手間をかけた方がいい部分にちゃんと手間をかけて撮ってる。
セットも重厚感があり雰囲気も素晴らしいです。
ストーリーは普通に怖いです
日本人特有なのか 過去に起きた悲劇惨劇が目に浮かぶようなストーリーのボディラインで
我が子を焼却炉で焼いてしまった母親のシーンなど出て来ないのに その情景が脳裏に焼き付いてしまいます。
普通に結構怖いのでラストでバカっぽいクリーチャーが出て来てくれたおかげで
(ああ、これは作り物のお話だった) と自分を安心させる事ができました(笑)
和製ホラーの怪作
故伊丹十三監督の和製ホラーの怪作。
洋物ホラーの要素をそのまま日本に持ち込んだ感じなので、やや無理がある感じがしますが、それを力技で観せてしまうのは、やはり監督の手腕が大きいんだと思います。
当時としては出色の出来でした。
元レベッカのNOKKOが出ているんですが、なかなかの演技です。
諸事情によりビデオやDVDは出ていないようですが、是非もう一度観たい作品です。
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