「劇場版『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 予告編』」新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生 どんすこいさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場版『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 予告編』
今、何かのシリーズの劇場版が、同じような作りで公開されたら、まぁこんなふうに呼ばれて燃え上がるのだろうなぁ。と、ちょっと不毛な妄想をしてみたり。
前半DEATH編。DEATH(TRUE)²は観たことがあるので、全体像は知っていた。劇場で、無印DEATH編として観たのは初めてだったので、コレクター心というかオタク心というかで観ておこうと思い立った。さて、TVシリーズの総集編と謂って紹介されることがとても多いが、U-NEXTがそう表現していたように、これはREMIX版と言ったほうが適切なんじゃないかと私は思った。TVシリーズの第弐拾四話までを範囲選択して「ドラマの要点だけ」という言葉以上にドラマの要点だけを引っこ抜いて、登場人物と制作陣の感情を接着剤に、1時間ちょっとの短い尺に押し込んだ、という感じ。
Xのあるポストが、REBIRTH編に向けた観客の調律作業が行われる時間、といったふうに言い表していて、それが肌で実感できた。事前の振り返り鑑賞など行わずに劇場で観たが、終盤の鬱屈とした様子や、REBIRTH編直前時点での各キャラクターの現状イメージがちゃんと思い出せて、なんだか不思議だった。
TVシリーズの最終2話を描き直したREBIRTH編が目玉だったろうから、ターゲットはTVシリーズを観た人なのは(あんまり肯定的に捉えてはないけど)当たり前で、まぁTVシリーズ未見のままこれを総集編と信じて見た日には「エヴァンゲリオンもういいや」ってなるわな……です。
後半REBIRTH編。エヴァシリーズとの戦闘直前……超良い所でぶった切られる。ということは噂程度には聞いていた。しかし現物を見てみると、思わず笑ってしまった。声は出してないので、多分セーフ。
個人的に見所だったのは、Airと全く違う声優陣の演技、一部演出やカットの違い。ホントに別の作品を観ている気分だった。特に演技の違いが凄い。違和感は無かったが、TVアニメの延長的な演技といったふうで、Airが持つ異様に感情香る雰囲気とはまた違った。私はAirの方が好き。
ちょっと話はズレるが、配信で見られる分だけだと、どのサービスでも、Airはずーっと1コマくらい音と画面がズレているのが、ものすごく気になっていた。何でかは知らないが……そこがかっちり噛み合っていて、感動を覚えた。
評価高めな事については、エヴァを好きだと公言するしょうもないオタクが付けた、たかが知れている評価だと思っていただいて構いません。単体の映画としての感想を求められれば、迷わず「こんなものの何処が映画か」と言える作品だとは、しっかり認識しています。
