劇場公開日 1970年10月24日

「「冒険者たち」の影響を強く感じる日活ニューアクションの傑作」新宿アウトロー ぶっ飛ばせ ミラーズさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「冒険者たち」の影響を強く感じる日活ニューアクションの傑作

2020年1月21日
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鑑賞方法:映画館

フランス映画の名作「冒険者たち」(1967年)の影響下をとても強く感じる日活後期のニューアクション。

フランソワ・ド・ルーペやミシェル・ルグラン風の音楽に始まり、渡哲也と原田芳雄と梶芽衣子の三角関係、そして女が巻き込まれて、二人に寄る儀式の様な葬い。
原田芳雄はルガーP-08拳銃を持ち、要塞化したビルで死闘を演じる。ヘリの操縦や空撮などもところどころに「冒険者たち」を連想させる場面も。

ウイスキーをがぶ飲みして、暴力振るう事に躊躇は無いが、意外と陰りなく軽快さを感じる哲兄さんと若干三枚目で陽性な原田芳雄とのバディ感は、結構面白い。シリーズ化出来なかったのかな。

一番の強敵の成田三樹夫の鋭いキレのある演技と着物姿も素敵な梶芽衣子姉さんも見どころ。

小僧な沖雅也も新鮮。彼の搭乗するホンダドリームCB750FOURが、場面によって車種が変わるのは、ご愛嬌。

監督の藤田敏八は、監督後期のべたついた重い演出のイメージがあり敬遠していたが、意外と職人的なテンポ良く刻む演出で、明朗さもあり活劇としては上出来な作品だと思う。

ミラーズ