「真実」真実一路 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
真実
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昭和6年、東北の凶作のために義援金を寄付する国民学校4年の守川義夫。母親の顔を知らずに、父義平(山村総)と歳の離れた姉しず子(桂木)と暮らしていた。しず子の見合いも順調に進んでいた頃、伯父のところで偶然にしず子が「お母さん」と呼んでいた女性・むつ子(淡島)を見かける。やがてしず子の縁談は破談になってしまう。しず子の父は今の義平ではなく、死んだ恋人の子だったからだ。そのことを叔父の絵描きである河村素香(多々良純)に相談するも、義平が真実一路の旅をしていると諭される。そうこうしているうちに、もともと喘息持ちだった父義平は亡くなってしまう。
愛人である隅田(須賀)とも清算し、守川の家に入ったむつ子。なかなか「お母さん」と呼べない義夫は今まで通り「おばさん」と呼ぶ。義夫を連れて温泉へおもむくむつ子だったが、そこに訴えられそうな隅田と復縁しようとする彼女の姿。やがて隅田は生活苦のため自殺し、むつ子も後を追う・・・母親になることは難しくないが、母親であることが難しい。これが彼女にとっての真実一路の人生だった??
“真実一路”なんて、かなりいい響きの言葉だけど、単なる“エゴ”だとしか思えない。それより、この作品で何が言いたいのか全く伝わってこない。事実という言葉と真実という言葉。嘘のほうが真実であることがある。などと文芸作品らしい印象的な台詞が残る・・・だけ。
【2012年ケーブルテレビにて】
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