「簡単には…」仁義なき戦い 完結篇 ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
簡単には…
クリックして本文を読む
旧敵武田から互いに引退し、身を引けと言われても、松村から若頭を理事にすると言われても、簡単には軍門に下らない。筋を通してから、それが彼なりの仁義。7年の服役後、もはやかつてのやくざを取り巻く環境は様変わりしていた。しかし、いつの世も組織ができては潰され、くっつき、その度に下っ端の若者たちが血を流すの繰り返し。これは変わらない。悟った広能は松村に組を任せ、遂に引退していく。武田から互いに落ち着いたら一杯飲もうと言われ、普通なら色々あったがとなるところ、死んだ奴らが報われないと、ここでも筋を通す。ナイフのような潔さ、格好良い。武田の気持ちもわかるけど。早川組組長の配役が変わってしまったのと、何と言っても大友勝利役はやはり千葉真一が良かった。松村も遂に死んだか。やはりというか、この映画は主人公広能の広島統一ではなく、すっきりしない部分もあるかもしれないが、そこにリアリティがあって良い。弱肉強食の世にはいつまで若者たちの流血が続くのか…いつまで戦争は続くのか、今まさに見て考えさせるものだった。松方弘樹、北大路欣也の別人としての再登場はご愛嬌。もう一度成田三樹夫の松永見たかった。
コメントする