「【“哀しきヒットマン” 第一作の熱量を維持しつつ、哀しき男女の関係性を鮮やかに盛り込んでいる作品。】」仁義なき戦い 広島死闘篇 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【“哀しきヒットマン” 第一作の熱量を維持しつつ、哀しき男女の関係性を鮮やかに盛り込んでいる作品。】
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ー 東映が”任侠映画”から”任侠実録映画”路線にシフトした第2作。ー
◆感想
・ご存じの通り、今作の主人公は、敗戦後復員兵だった山中正治(北大路欣也)と、夫を特攻で亡くした村岡組組長の姪、靖子(梶芽衣子)である。
山中が、靖子が営む料理屋で無銭飲食をし、大友連合会会長の息子、勝利(千葉真一:安らかに・・)にボコボコにされ、靖子と男女の関係が始まる所から始まる。
ー 全編を通しての主人公、広能(菅原文太)は、刑務所で山中に飯を差し入れたりするが、基本的には今作で描かれる闘争を、俯瞰的立場で見ている。ー
・山中正治が村岡組長達に、良いように利用され、殺人を重ねて行く姿。本当はヤッチャン(靖子)と居たいのに。
ー 山中が、靖子の部屋で靖子の娘の寝顔を見ながら呟く言葉。”可愛いのう・・。わしの子にならんかのう・・。”靖子の嬉しそうな顔。
けれど、海千山千の極道の親分連中は、それを知りつつ山中を、利用し自分の地位を保とうとする。ー
<山中が、口中に拳銃を加える表情。
その後、山中の追悼花会で、村岡に周囲の親分連中が口にする言葉。
”良い漢だったのお・・。”
何のことはない、山中が自決した事で、自分達に余計な累が及ばなかった事を喜んでいるだけである。
最後に流れるナレーションも、“哀しきヒットマン”と言う想いを強くさせた作品である。
それにしても、『仁義なき戦い』から僅か3カ月半後、に今作は公開されている。深作欣二監督の熱量も相当なモノである。>
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