仁義なき戦いのレビュー・感想・評価
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仁義は少しあったね!
2019年4月7日 #仁義なき戦い 鑑賞
伝説のヤクザ映画。#菅原文太、#松方弘樹、#梅宮辰夫、#田中邦衛、#渡瀬恒彦 みな個性が際立っている傑作。しかし、この映画がノンフィクションというのがスゴイ。これを見れば「広島すげえ」とみな思うだろうな。原爆ドームをバックに抗争しているのがなんとも。
ドキュメントでありながら映画である、その境目の作品
お話は原作に基づくものであるから、映画としての価値はどこにありそれは何か?
やはりいきなり冒頭に掛かる津島利章によるテーマ曲だろう
トランペットの鮮烈なフレーズは最早本作から独り立ちしている
手持ちカメラのブレとアップの多用はドキュメント感覚を強めて実話という原作を見事に映像に再現している
本作を観ることによる映画体験を、観客がその場に居合わせ目撃しているという擬似感覚を与えること
それが深作欣二監督の狙いだったはずだ
そしてそれは大いに成功している
そして出演者だ
菅原文太、松方弘樹、渡瀬恒彦、田中邦衛、金子信雄、梅宮辰夫といった灰汁の強い俳優達が活躍の場を与えられて輝いている
ドキュメント感覚ならばロッセリーニ監督のように素人をオーディションで使っても良いはずだ
つまり限りなく本物をつかうといこと
そこをすでにひとかどの俳優であった彼らを起用したのは何故か?
ドキュメントでありながら映画である
再現ドラマでありながら、フィクションである
その境目の作品を撮る
それは映画館の外と中が入り雑じる感覚だ
これもまた深作欣二監督の狙いだったはずだ
この撮影方針はニューシネマに対応する製作方針というか、映画を撮る態度や考え方
そこが類似しているように思える
お約束ごとでマンネリ化している旧来のヤクザ映画という日本のギャング映画の内容を現代的に刷新せしめたという意味合いでそのように感じる
そしてその革新がヤクザ映画のジャンルを超えて日本の大衆向け映画全体の革新に繋がっていったのではないかと思えるのだ
そこに本作の意義と価値があるのでは無いだろうか
では21世紀の現代において、本作を観ることにどのような意義と意味があるのだろうか
単にそのような功績があった映画として観る価値だけなのだろうか?
21世紀においては反社会的勢力との決別は本作製作当時とは比較にならない程に厳しい
このような映画の製作は企画すら出せないだろう
しかしつい先日もテレビの超人気芸人達が突然に所属事務所から解雇や謹慎の処分を受け世間を騒がしたばかりだ
社会には映画にすべき問題は現実にそこにあるのだ
本作の製作当時では別の意味で映画化が困難であったろう
しかし、これを乗り越えて先人達は本作をこのような傑作に結実させたのだ
果たして21世紀の私達は先人達のように、現実にある問題を映画という映像作品にまとめあげられ、評価できる力があるのだろうか?
ネットで批判するだけになるのだろうか?
頭が冴えているときに見るべし
ストーリーなんかドタバタしていてシナリオ完成度なんかわけわからないのに集中が途切れない。本当にすごい映画だ。おそらく本当のヤクザの抗争もこんなふうにバタバタしていて何が何だかわからないうちに殺し合いになってしまうのだろう。
映像的には、アップになった時の色合いが大判フィルムらしい密度と味わいがでている。撮影にフィルムを使用するタランティーノがこの映画の影響を受けたことを告白しているが、なるほどと思った。登場人物が多く、しかも紹介するのは一瞬、そして人間関係が複雑で重要。なので記憶力の悪い人は映画の全てを味わうことができないだろう。二回見るべし。とにかく縄張りをのっとろうとする組と乗っ取られそうな組の間に挟まってしまったらほぼジ・エンド。ヤクザの世界の混乱した状況、複雑な人間関係、考える暇もなく始まるバトル…そういったリアリティを生で感じさせてくれる非常に迫力のある映画だ。
やかましいだけ
バイオレンスの塊
これがワシら漢たちの生きざまじゃけぇ!
戦後の広島を舞台に“広島抗争”と呼ばれたやくざたちの争いを描いた飯干晃一のノンフィクションを映画化したシリーズ第1作目。
本作が無ければ『極道の妻たち』も『アウトレイジ』も『孤狼の血』も無かっただろう。
日本映画史に残る金字塔。
本音を言うと、やくざ映画は不得意ジャンル。
劇中の時代にも本作が公開された時にもこの世にまだ生を受けておらず、縁も所縁も無い世界。
自分如きが本作について知ったように語れない。
が、それでも、漢たちの荒々しく激しい生きざまには痺れ、圧倒される。
戦後日本は目覚ましい発展を遂げたが、その裏にあった日本暗黒史…。
裏切り、殺し合い、報復…。
そんな殺されるか生き残れるかの世界で、藁を掴むような義理、人情、仁義…。
「ワシら、何処で道を間違えたんかのぅ…」
殺伐とした闘いの中で、漢たちの儚い青春群像劇をも感じ取れる。
監督・深作欣二、脚本・笠原和夫、菅原文太、松方弘樹、梅宮辰夫、渡瀬恒彦…。
先日顔に大怪我を負った梅宮辰夫以外、主要関係者は故人。
以前『サイコ』のレビューでも書いたが、時に監督/俳優と作品の必然的な巡り合わせを感じる事がある。
彼らは、本作を撮る為に、出演する為に、生まれてきたと言っても過言ではない。
作品を盛り上げる津島利章の名曲。
鮮烈な漢たちの姿は永遠に忘れられない。
日本映画の金字塔
日本映画史に残る傑作。
笠原和夫の素晴らしい脚本に深作欣二の大胆な演出が絶妙にハマり、独特の熱を帯びた作品になっている。
それまでの「ヤクザ映画=人情ものの任侠映画」という流れに一石を投じた作品。
出て来るのはヤクザと、ずぶずぶの政治家。全くの必然性無く人を殺すし基本的に悪い人達ばかりしか出てこない。比較的人格者として描かれていた若杉ですら、結果的に同じ穴の狢である。社会的にはどうしようもない人達な訳だが、全力の生き様が妙に格好良く見えてしまう。
シリーズを通して使われた広島弁は、作品に速度を与える役割と所々見られるコミカルな印象付けをするのに完璧に機能しているし、実録物として必要不可欠なリアリティを付加している。
役者陣もそれぞれに素晴らしい演技で、後に大御所と呼ばれる方々が目白押しな訳だが、それにしてもこの時代の役者さんの層の厚さと演技の幅は凄い。
もう亡くなった方も多くて本当に悲しい。
特に金子信雄の山守はこの役がなければ「仁義なき戦いシリーズ」はここまで成功しなかっただろうと思えるほど。
まさに1970年代の日本に存在した熱量が滲み出した映画で、見方を変えれば現代にも通じる社会の縮図でもある。広島の裏社会というミニマムな視点の中で終戦以後の社会動勢を透かして見る事のできる作品。
今後日本でこのレベルの作品は撮られないだろう。というか、最近の日本映画はどうしちゃったの??とあらためて考えてしまう次第。
日本映画に残る超傑作。唯一のホンモノのヤクザ映画
ヤクザ映画というと今となっては、B級映画のそれでしかないけど、この映画はホンモノ。
広島で実際に起きた抗争を描く。原作の元になったのは、この映画の主人公のモデルでもあるモノホンのヤクザであり、実録物の走りとなった映画でもある。
暴力でしか生きていけない人々の中で、無残にも散って行く若者の命。そして、老人だけが生き残る不合理。
やくざものでありながら、この社会の不合理まで描く超傑作。
菅原文太、松方弘樹、田中邦衛、渡瀬恒彦、など名優が揃っていて、とてつもないクオリティの映画となっている。ヤクザのやってることは、他人に迷惑かけまくりな悪そのものでありながらも、男として少し憧れる格好良さがある。ただ、無残にも殺され、呆気なさ、虚しさを感じる。
中でも、金子信雄の演技がこの映画のキモ中のキモ。このシリーズを通して、こいつが生き残って他が死んで行くことに対する不条理が、この映画の全てである。
仁義なき戦い
仁義とは
血気盛ん
チャララ~、チャララ~。
文太さんフォーエバー
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