新幹線大爆破(1975)のレビュー・感想・評価
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オールスター娯楽大作!
健さんの追悼上映で満席の劇場で鑑賞。
1975年のオールスター娯楽大作であり一級のサスペンス作品。とはいえ突っ込みどころも多数。しかしそれを補ってもあまりある満足度。脚本は所々 ん?え?と思うところもありますが緊張感は最後まで続き2時間半は長いとは感じませんでした。
大スクリーンの高倉健さんはやはりスターとしての輝き。そして目を引いたのが宇津井健と千葉真一の暑苦しいまでの熱演。東映的な演技合戦とも言えるでしょう。チョイ役でいろんな役者を見る楽しみも。
70年代邦画を凝縮したという感じもあり、そういった楽しみ方もありますね。
『新幹線大爆破』
東映が社運を賭けただけあって凄かった。確かに『スピード』より断然面白い。
まず運転手が千葉真一と小林稔侍、車掌が竜雷太だぜ。他に宇津井健、丹波哲郎、藤田弓子、北大路欣也、田中邦衛、岩城滉一。
ここまでやって当時国内じゃスカタン、海外では大絶賛、悲しいね。
日本人の哀愁が核の作品、なのです
当時の国鉄の協力をまったく得られず、むしろ「別モノにしろ!」とまで言われたこともあって、とても新幹線の運転室とは思えない簡素すぎるコックピット、いざ懐かしいゼロ系新幹線が登場したかと思ったら、プラレールみたいなひかり号が出てきたり、と鉄道の映画でありながら、ちっとも鉄道の魅力がない、パニックサスペンスという作品なので、今の映画ファンにはあのり求められていない作品。ですが...
何度も見た私が感じる、この作品の魅力は、犯人の三人が社会の落ちこぼれ、という設定だ。ひとりは家族や大会社に見捨てられた零細下請け工場の経営者、ひとりは学生運動から革命戦士になりそこねた活動家、ひとりは完全な社会のはみ出し者、といった三人が、結託して日本の国家にまで挑戦しようとして、結果敗北してしまう哀れさが、何ともいえない哀愁が漂っているところを、この作品をこれから見る人には見逃さないでほしい、と思う。この犯人三人は、高度経済成長が終わったあとにとり残された、当時はどこにでもいた日本人なのだから、70年代の日本そのものが描かれている、という点は興味をひくものだと思う。
そしてこの作品、JR東海だったら昔の国鉄より協力的になるような気がするので、ぜひ日本の映画会社でリメイクしてほしい、と思う。ただ、サスペンスの部分が同じ設定だったら、逆に「スピード」を真似してる、と言われそうなので、ハッカーで中央制御室がゲットされた、みたいな今どきのものにしたほうがいいだろう。それに、今の新幹線はもっとスピードがあるのだから、パニック映画にもなりやすい、と思うのだけど...。考えてくれる映画会社はないのだろうか。
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