新幹線大爆破(1975)のレビュー・感想・評価
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虚無感漂う1975年の時代背景を感じます
Netflix版『新幹線大爆破』(2025)を見たら、そのもととなったこちらのオリジナル版『新幹線大爆破』(1975)も見たくなりますよね。
時代的には、高度経済成長が終わり少し停滞を感じ始め、且つ、全共闘も下火になって少し時代遅れとなった頃。そう言う、虚無感を感じる世相が作品にも反映されています。犯人一派には、その虚無感が常に漂います。動機につながるシーンも、悲しいですね。
Netflix版がJR東日本の特別協力を得て撮影したのに対して、こちらのオリジナル版は“模倣犯を引き起こしかねない”という理由で当時新幹線を運用していた国鉄から協力を拒否された話は有名です。確かに、模型のシーンなどは、50年の撮影技術の差もあって、「あぁ、模型だな」とは感じますが、それでもよく撮影したとは思います。
興味深かったのは、テレビドラマで刑事役をよく見た俳優たちがやっぱり刑事役で出ていた事。この作品と、テレビドラマのどちらが先かという時系列はわかりませんが、やっぱり見た目というか、雰囲気があっての刑事役なんだなと、妙に納得しました。
なんとも後味の悪いラストシーン
今夜(2025/05/03)から数日掛けて観ました。
話題の最新作を見た後に、2時間半越えの尺で且つ50年前の作品を観るのは少し躊躇いましたが、観てよかったです。
劇中なんか8ビットみたいなピコピコBGMが流れていましたが、あれは何だったんでしょう?(笑)
新幹線車内で平然と煙草を吸うおっさんの姿は今では見られない希少種ですね(笑)
テロリストの要求に従う警察も今では考えられません。こういう時代のギャップを見比べるのが面白いです。因みに、高倉健こと沖田の元奥さんの実家の雑貨屋さんで売られるトイレットペーパーは、¥89でした😳
最新作と比べると犠牲者が出てしまうのも大きな違いです。街中で発砲、テロリストの一人が被弾したり、ダイナマイトで自爆したり、車内出産を試みるも死産だったりなど、悲惨な描写が多く感じました。
新幹線ひかりの外観は大体模型で、特撮のそれに似通っています。ただ爆発シーンに関してはCGのそれとは違い熱気が伝わってきそうな重々しい映像で、臨場感が段違いです。
借金を抱え、苦労をかけた奥さんとひとり息子のために1500人の乗客をダシにつかい、仲間と結託して爆弾テロを企てた沖田ですが、犯人逮捕のために新幹線が無事停車できた事を伏せ続けた警察の考え方と、沖田の最期はあまりにも後味の悪いものでした。
エンドロールはとても短くて拍子抜けでしたが、手書きのスタッフの文字はガッチリしていてかっこいいです✨
当時と現在の違いを楽しみつつ、爆弾テロなどの犯罪行為についてあれこれ考えながら観るのが、本作を楽しむ秘訣だと思います☝️
重みが違う…
Netflix版を見てからの鑑賞。こちらは犯人側・高倉健に焦点を当てた描き方。指令室長・宇津井健の鉄道マンとしての熱き思いも伝わってきた。Netflix版が新幹線車内のシチュエーションスリラーだったので、現代の映像技術はあるがどうしても展開に限界があったことに対して、原作は車外での犯人を追い詰める捜査を中心に描かれ、緊張感だったり、人間ドラマがあり、俳優たちの汗や息づかいが伝わってくるような重みがあった。高倉健の最期は格好良かったがエンディング曲が残念。両作品とも新幹線を爆破しようとする犯人の動機がどうしても解せなかった点は共通していた。
犯人に
高倉健さんの魅力が引き出されていました
ラストカットがカッコ良すぎる
リブート作に感嘆した勢いで、1975年の前作を鑑賞。50年前だけあって随所に古さは香るが、俳優陣が体現する緊迫感や迫力に古めかしさは微塵もなく、骨太で見応えたっぷりの映画でした。
一方で、丹念に描かれたと「評判」の犯人の心情はピンとこなかった。寧ろ、何故新幹線を狙ったのか、どうやって忍び込み、気付かれずに爆弾を設置したのか、速度で起爆する爆弾を作れる技術があったのか、潰れた零細工場は何を創っていたのか、描かれてないのが未消化だった。加えて、新幹線が止まれないから保たれていた緊迫感が最終盤で途切れて、主犯を追い詰める過程が若干もっちゃりしていて残念。
とは言え、空港での元妻の葛藤や息子の台詞は切な過ぎる。そして、最期のラストカット。どんな背景があっても動機はやはり身勝手だし、胎児や関係者2人の死も本事件が無ければ避けられた筈。主犯の沖田(高倉健)に同情する余地は全く無い......が、なんて美しく印象的なラストカット。まさに、観て良かったと思わせる映画の終わり方でした。
えぇ!?めっちゃオモロイやん!!
草彅くんのやつを観てから拝見しました。
※当方新旧どちらが良いとか言うつもりはございません。
まず、こちらの映画は悪役の主人公と国鉄側の主人公が設定されていて、双方の心情が描かれている。
故に、双方の心情に入り込みやすく、自身の心情も双方に揺れ動いた。
また、展開もスピーディーで2時間30分を感じさせない展開となっている。
演技も迫真で緊迫感が伝わり、まるで自分が新幹線の乗客、犯人側の一味、国鉄側からの一員になって観れストーリーに引き込まれた。
良作は何年経っても良作。そんな言葉があるが、まさに、この作品には当てはまると思う。
確かに映像や建物は古いが、心情や信念、そして伝えたい事は変わらないなと感じた。
だからスピードの監督もオマージュしたのだろう。納得。
皆さんも是非このスリリングで切ない体験をこのGWで是非~~~。
噂に違わず良い出来
「当時としては」だが。。。
とはいえ現代でも十分面白い。
特に設定や進行。
単に止まれないではなく、新幹線の自動停止してしまう問題を絡めてるのは上手い。そこはキアヌ・リーブスのスピードでは盛り込めず劣化していたなと感じる。
犯人側の事情も納得感がでて良い。逃がすわけにもいかないし、全員死亡という落とし所になるのは仕方ないか。最後、写真が無いという前フリから空港で元嫁に見つかるというオチも秀逸。
警察は、犯人に金を渡して乗客の解放を優先し逮捕は保留願いますという依頼に対して、そうですねと指示を改めたあたりまでは、ちょっと一味違うぞと思ってたが、いきなり柔道部に捕まえろーってやり始めたところでコケた、その後はいつも通り。。。
意外とSFマインド満載
🎦新幹線大爆破(1975版)と🎦新幹線大爆破(Netflix版)、立て続けに鑑賞。
まずは
①🎦新幹線大爆破(1975版)
出だしはかなりSFチックで今も昔も鉄オタの専門性は変わらぬトキメキがある。中盤になると社会派ドラマの色合いが強くなり高倉健のお出ましとなる。ドラマの仕立ては極めて緻密で国鉄、政府、警視庁と今でも変わぬもっとも日本的な縦割りの弊害の中、犯人と乗客が翻弄される様はまさに手に汗握る上質なスペクタルドラマとなっている。ここまで見てふと思ったのは黒澤の🎦天国と地獄、それに庵野の🎦シン・ゴジラである。ともに前者からの強い影響を感じ、さらなる後者への強い影響を感じるのである。この作品の特殊効果に成田了を見つけた時は歓喜ものである。
②🎦新幹線大爆破(Netflix版)
そしてこの作品。これはもう完全な🎦シン・ゴジラである。前半は間違いなくその見立ててでほぼ間違いのない出足。ただこの作品の光は完全に鉄道マンに当たっている。その配役のウエイト見てもそれは明らかである。しかし🎦新幹線大爆破(1975版)を🎦ゴジラに、🎦新幹線大爆破(Netflix版)を🎦シン・ゴジラにして見せる見立ては中盤からもろくも崩れだす。🎦新幹線大爆破(1975版)と🎦シン・ゴジラに極めて明確なオマージュを見せつつも、中盤からは明らかにオリジナルな展開を示し驚きの伏線回収へと物語は暴走を始める。その伏線回収のスケールの大きさは見事であり、オマージュに対するリスペクトフルネス、物語のオリジナリティへの敬意は清々しさすら覚えるのである。特に斎藤工、草彅剛、のんの三人の演技には感動すら覚え、大団円の末にはどこからとも湧き上がる涙に視界が曇るのである。
🎦天国と地獄⇒🎦新幹線大爆破(1975版)⇒🎦シン・ゴジラ⇒幹線大爆破(Netflix版)⇒🎦新幹線大爆破(1975版)への流れは日本映画史の社会性、芸術性、文学性の連続性を強く感じずにはいれない。
何回観てもメチャクチャ面白い! 50年前にこのクオリティの作品が作れた日本の映画ってやっぱり凄い!!
NETFLIXのリブート版を観る前に久々に復習
全編に渡ってダレる事なく飽きさせない迫真のストーリー展開にグイグイ引き込まれ、あっという間の2時間半で見応え充分
緊張感みなぎる力強い映像とキャスト陣の熱量の高さがものすごく、終始圧倒されます
キャスティングは中でもメインとなる高倉健さん、宇津井健さん、千葉真一さんの超豪華なキャストの熱演が素晴らしく、特に宇津井健さんが最高にカッコよかった
止まれない新幹線が障害物を回避し反対レーンに入ったことで上り車両と正面衝突スレスレでレーンチェンジし危機一髪をかわす手に汗握るシーンや物資供給のためにもう1台の列車が並走するなど、1,500人を乗せた新幹線がノンストップで疾走する圧巻のスペクタクルシーンも見せ場の1つです
高倉健さんの“ラストの姿”がメチャクチャかっこいい、アメリカン・ニューシネマ時代に作られた雰囲気が色濃く出ていて、これはこれでとても良い、なぜか悲壮感が無いのが不思議
ストーリーはちょっとだけ釈然としない部分がありました
高倉健さん達3人はなぜ建設会社への恨みなのに新幹線大爆破を進めたのか?見逃したのかな?と思っちゃいました
本作は公開と共に海外に渡り、その後の世界で作られるアクション映画に多大な影響を与えたことで有名
特に近年の数あるアクション映画の中でも傑作の1つとして数えられる『スピード』(1994)の元ネタとしても知られる日本が世界に誇るパニックアクションの傑作中の傑作です
昭和のパニック超大作!
1975年の作品です。当時、かなり話題になった覚えはあるんですが、まだ小学生だった自分には、それ程の興味は無く・・・多分、地上波の放送でチラッと見たかもしれないけど、内容も覚えてなくて今に至ります。
本作品なんですが、最近海外で再評価されているみたいで、人気が逆輸入なんて記事を見かけました。
そのせいか今回、Netflixでリブートされるということで、先ずはオリジナルを見ておこうと思っての鑑賞です。
もう、のっけから惹きつけられましたね。
この人も、この人もって感じで、懐かしい昭和のスターたちが勢ぞろいです。
高倉健さんの犯人役、悲壮感を漂わせながらも芯の強さを感じる。ホンっと渋い。
宇津井健さんも熱い人を魅せてくれます。まさに正義感のかたまりみたいな。
並んで走る新幹線で、運転手に千葉兄弟がそろった時には、思わずニンマリしちゃいました。
若い北大路欣也さんもなかなか見応えあります。
【ネタバレ】
ストーリーにも十分惹き込まれます。
新幹線がスピードを落とすと爆発する爆弾を仕掛けて身代金を要求する。ほぼ「スピード」と一緒ですね。そう思って見たんですが、なかなかどうして、「新幹線大爆破」もメチャクチャ面白かったって言うより、こっちが先なんだよね。
犯人逮捕に失敗したり、新幹線の進路に故障車があったりと、二転三転、危機また危機の連続は、ホンっと楽しませてもらいました。
昭和ならではの周りの状況も懐かしくて良かったです。
ただ、安っぽいオモチャ丸わかりの新幹線爆破場面はちょっとチープだったかな。まぁ、想像のシーンだから良しとしよう。
ちょっと余談ですが、小説版「スピード」のあとがきに、日本人が作るとバックボーンを入れたがるという記述がありました。なるほど、本作には犯人達の出会い等、描かれている部分があり、2時間半を超える大作になってます。
撮影技術の進歩があったり、スマホが日常化している現在の様子を盛り込んでいるであろうリブート版が楽しみです。
あっぱれ日本人
群像劇として見応えあり
つまらん。俄かに名作に押し上げる。嘘は駄目。
【”男が新幹線に精巧な爆弾を仕掛けた訳。”今作は、50年前の映画ながら爆弾設定の秀逸さと、令和の時代には作れそうもない途方もない出演者数に驚くサスペンスフルな社会派作品である。】
ー スピードを落とすと爆破されるという設定は、キアヌ・リーブス主演の「スピード」が直ぐに思い浮かぶが、この作品は「スピード」よりかなり早く製作公開されている。
「スピード」が、この作品に着想を得たのかどうかは知らないが、それでも何だか日本人として誇らしい気がするんだよね。
あとは、高倉健さんが資金繰りに困って倒産した町工場の社長を演じると、応援したくなってしまう気持ちになるのは、何故だろうか。
新幹線そのものをJRじゃなかったコクテツに協力を得られなかったので、特撮で対応したというのも凄いよな。
登場人物の数が、マア凄い。当時の大スターも多数出演で、ワンカットだけの有名俳優さんも多数である。今では、もう無理だろうなあ。
警察側と犯人側の攻防も見応えがあって、尚且つ犯人は人を殺さないという信条を貫くのも、良いね。(胎児は亡くなってしまったけれども。)
1975年って、高度経済成長期だけれども、新幹線の乗客にも、そんな時代を担ったと思われる猛烈サラリーマンが出て来るし、コクテツ側の人命第一の姿勢を崩さない態度と、警察の犯人を絶対捕まえるという気概の対立も、見応えが有ったな。
<先人たちの今作の様な物凄い熱量の映画が有って、今の邦画界がある事を考えると、意義ある作品ではないかな、とも思ったな。じゃーね。>
感情が解放されるカタルシスみたいなものは無かった
沢山の名優が出ていたけれど、宇津井健さんが良い役でした。準主役と言っても良い。
この映画を、高倉健さんの最高傑作と評する人もいるらしいけれど、私はそこまで面白いとは思わなかったです。
そこそこ面白いとは思います。
サスペンス的にドキドキするし、健さんも宇津井さんも格好いい。
でも、物語の構造的には割りと単純に感じました。
器用さと知恵で、話しを引っ張っていくスタイルで、至る所でちょこちょこと感心はするのだけれど、積み上がった感情が解放されるカタルシスみたいなものは無かったです。
面白かったのは、道路の脇に立っている共産党の演説会の看板をわざとらしく正面から大写しにしたこと。
「不破哲三」と「紺野与次郎」の名前がハッキリと見えます。
当時の映画界の現場は、やっぱり左翼が強かったのかな、って思って笑えました。
健さんも千葉ちゃんも
手汗握る作品!
ほかの人のレビューから分かるように主演は高倉健さん、しかも悪者です。往年の俳優の若い脂ギッシュで演技力も、そら圧巻よ!
今の邦画にはない脇役の演技力もすごい。新聞記者の悪態も生々しく今のマスコミっぽい。生きた演技力は作品に勢いをもたらし感動を生みます。素晴らしい作品だった!
リメイクしても、この本家の演技力にの前には太刀打ちは出来ないでしょうね。
人間ドラマも合間に入り上手い!
ただ、女性の病気(妊娠)はイマイチ、なんだったの?家族は?とわからなかったなぁ…
でも、是非!観て欲しい!
自分…不器用なんで…とはいいませんが。複雑で人間らしいつくりでした!脚本も魅せ方も上手いの一言!
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