「古き良き日本映画。」新幹線大爆破(1975) mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
古き良き日本映画。
1975年、佐藤純彌監督作品。
これはおもしろかった。
新幹線に爆破予告。スピードが80キロを下回ると爆発する仕掛け。
そのデモンストレーションもやってみせて爆弾が本物であると知らしめる。
当時の国鉄と警察、それから犯人側、それぞれの描写がかなり精緻に描かれている。
気になったところもなくはない。
初めのデモンストレーションはなぜ北海道だったのか。人がいないところ、が理由だとしたらもっと近くでもいいのでは。
でも、気になったのはそれくらいである。
僕は日本映画3大ミステリーとして「天国と地獄」(黒澤明監督)、「飢餓海峡」(内田吐夢監督)、「砂の器」(野村芳太郎監督)を挙げている。
本作もその一角にくい込む出来であった。
犯人がもう少しヘマを減らしていれば、もっとよかったかも。
だって、爆弾を仕掛けようかという場所で煙草はない。証拠を残すようなものだから。
そして、本作は映画オリジナル。
このような映画がもっともっと増えれば、日本映画は豊かになるのに。
東映がおそらく社をあげて取り組んだ大作だと思われるが、そこになぜ宇津井健が出ているのか不思議、というか違和感でしかなかったが、本作では、宇津井健のあの暑苦しい芝居が見事にマッチしていた。このキャスティングは大正解であった。
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