新幹線大爆破(1975)のレビュー・感想・評価
全87件中、1~20件目を表示
緊張感と人間ドラマの配合が見事
新幹線に爆弾が仕掛けられ、時速80キロを下回ると爆発するというアイデアが秀逸だ。後のヤン・デ・ボン監督、キアヌ・リーブス主演の『スピード』の元ネタとなっているが、新幹線という限定空間の緊張感に加えてスピードも落とせないからタイムリミットも生じるので、さらなるスリルが生まれる。しかも、このアイデアは新幹線の安全神話の盲点をついているところが素晴らしい。新幹線は、何か異常を検知したら止まる仕組みになっているが、止まったら爆発してしまうからだ。
運転手、乗客、国鉄、政府に警察らの思惑が交錯する人間ドラマも非常に見応えがある。なにより犯人側のドラマがきちんと描かれているのが良い。この爆弾テロは弱者である犯人側の異議申し立てであり、戦後日本経済の成長に取り残された人々の怒りなわけだ。テロとは本来、弱者によって引き起こされるものだ。テロを卑劣だと断じるだけでは、テロを根絶できない。弱者救済こそが本当の「テロとの戦い」なのだとこの映画は教えてくれる。
昭和のオールスターがカッコよすぎる
なぜだろう?犯人グループを応援してしまう不思議。
犯人を目の前に、勝手に学生に捕まえさせようとしたり、中途半端に追いかけ回した挙句に取り逃したりと、なにかとポンコツ。
それに新幹線車内の人々ときたら、当時の日本はあんな民度だったのか。いくら取り乱しているとはいえ、車掌が妊婦にビンタをかますのは、さすがに昭和でもダメだろう。
周りが酷すぎて、指示を出す倉持さんと運転士の青木さんが気の毒。
登場人物はアレだけど、リメイクされるだけあって50年経ってても面白い。
上下線の切り替えは、成功が分かっていてもドキドキ。現在地を示すボードがアナログなのが逆に良い。
懐かしの映像でしか見なくなった丸顔の新幹線も疾走感が素晴らしい。
2時間半ずっと面白かった。
それにしても出演者が豪華すぎ。
それぞれ当時どれくらいのポジションだったかは分からないけれど、その他大勢の中にしれっとビッグネームが紛れてたり、クレジットすら面白い。
ずっと観たかった映画をスクリーンで観られて幸せ。
残り2ヶ月となったけど、今回も丸の内TOEI2。旧シャンゼリゼばかりで、なかなか旧丸の内東映にあたらんなぁ。
パンフレットはなかったけどTシャツ買えた。
スーパーエンターテイメント!
さよなら丸の内東映イベントで、幸運にも本作が劇場で観られると知り、劇場で鑑賞。
NETFLIXの同名新作を見ていたので、オリジナルは少し前だし、技術的にはあまり期待せず、という心構えでしたが、侮ってすみませんでした!
出演者の豪華さにまず驚き。そして皆さん芝居がしっかりしているので、ドラマに厚みがある。昭和の熱量と表現の過激さもあり、迫力が凄い。新幹線のスピードは現代の方が速いけれど、車内の熱量が凄かった。ストーリーの細かな事は指摘せず、予想を超えた迫力のエンタメを楽しみました。
犯人なのに気付けば応援してしまっていた、高倉健はやはり凄い人ですね。
ちょい役まで豪華
いやあ~面白かったですよ。東映の威信をかけ豪華なキャストでこれ以上はない
丁寧緻密な作りで見ごたえがありました。新幹線爆破シーンがミニュチュア然としてちゃちだったとの意見もありますがそれは全て想像(妄想)シーンでの画で実際は爆破されてないのでリアルでなくてもよいと私は考えます。(映画「日本沈没」参照してね、あれは東宝か)実際貨物列車の爆破シーンはみごたえありでしたよ。
みなさん主役級の重鎮なので迫力のあること、高倉健さんアップをはじめ男くさい顔がドドーンとならんで新幹線よりこれを見る映画でしょう。多岐川裕美、小林稔二、志穂美悦ちゃんもここではちょい役だ、私は宇津井健さんが一番かっこよかったな。
ヤン・デ・ボン監督の「スピード」の元になったのは明白だが、その他列車パニック物の
基礎となったと感じる(「サブウェイパニックは同じ75年公開だが流石にあちらはスタイリッシュ?)刑事が大量に動いて捜査で犯人を追い詰めるのはその後の邦画(TVも)犯罪物の形を作ったのではないだろうか?でもここでは警察は失態ばかり、爆弾を発見したのは国鉄側だしそれを解除したのも乗務員、運転士の千葉ちゃんも自ら溶接機で鉄板を切っている。
容疑者を一人も捕まえられず三人とも殺している。しかも爆弾解除報道を遅らせて犯人をおびきだし子供を使って特定させる汚い手口。国鉄より警察から横やりが入りそうな作品だが現実の事件でもこれに近い失態をしてるのも事実(吉展ちゃん誘拐事件とか知ってる?)
とにかくいろんなものを詰め込んだけどテンポよく飽きずにみられた重厚な二時間半でした。
スーパーエクスプレス109
オリジナル公開から数年後、フランス語吹替版を洋画上映館で観た。(なんか不思議な感じだったけど、いかにも日本映画らしいウェットな感じがヨーロッパで受けたのかな。タイトルは英語だったけど)
当時はパニック映画全盛期だったから、日本のパニック映画はパニックになる人のパニックのなり方がくさいなぁと思ったのとあのラストシーンだけは鮮明に記憶に残っている。
今回、久しぶりに観た感想は、警察何やってんだ!
そして、やっぱり乗客が、、。
メインキャストが出てないシーンはサブの人が演出してるのかな?
クールスの岩城滉一と搭乗カウンターの多岐川裕美、一瞬だったな。志穂美悦子も出てた。
北大路欣也に似てるなと思ったら本人(特別出演)。
刑事さんたちはまるで刑事ドラマのマルチユニバースかって思うほど見たことのある人たち。
豪華キャスト。東映さんの力の入れ方がわかる。
宇津井健さんはテレビドラマでよく見てたけど、あまり映画には出てなかったのか、出演作品が少ないのが残念。
(七人の侍では仲代さんと一緒にチラッと出てたのに)
50年前は女性の仕事って限られていたんだなぁ。警察も国鉄も男しかいない。
のんちゃんが運転士してるらしい新作観たいなぁ。
劇場で上映してくれないかなぁ。
新幹線大爆破、はタイトル詐欺。
何故か、国鉄より犯人を応援したくなる
Netflix版の新作公開に合わせてのリバイバル上映なのでしょう、僕は50年前の公開時以来の再見です。実は、ストーリーを殆ど忘れていたので新作の様に楽しめてしまいました。中盤を過ぎて漸く展開を思い出しましたが。
当時の国鉄の協力を得られなかった為に、新幹線走行のミニチュア・モデルなどは時代を感じさせるチャチさですが、そこは仕方ありません。ただ、感心した事。已むに已まれぬ事情があって犯行に及んだという訳ではなく、犯人らは大金をせしめて海外で暮らそうという動機に過ぎぬのに、観る者は国鉄側の正義の宇津井健より、主犯の高倉健に感情移入して「うまく行ってくれ」と応援したくなってしまいました。迫り来る爆破時間切れへと言うより、彼らがうまく逃げきれるかの方にハラハラの緊張感が大きく振れました。うまい演出だな。
それにしても、今は無き食堂車た当時は新しかった車内からの電話など、僕でも懐かしの風景が各所にあったのだから、年配のテッチャンなどは感涙だろうなぁ。
悪役健さん
ネトフリのリブートの方が話題になってるようですが、元祖の方見ました
爆破犯主犯が健さんという豪華さ
新幹線はテロのロケ禁止って聞いたことあるけどよく国鉄さん演らせてくれたなぁ
洋画ならリーアム・ニーソン?宇津井健がどうしても大映テレビに思えてしまう
自分が学生時代に東京-博多6時間ぐらいだったから昔はもっと時間掛かってたんだよなぁ
他にも黒電話だったり、公衆電話遠距離かける時小銭がドンドン落ちるところとかあぁそうだったなと妙に感慨深かった システムは古臭いけど一目で見渡せる指令室壮観だった チョイ役も豪華、よく見ないと分からない 皆さん若い頃は走りも速い! 警察✕国鉄で犯人サイドは描写薄いけど、健さん手際が一見地味なようで面白かった、そして最後もちゃんと美学貫いていた
渡瀬恒彦が出演してくれてたらもっと滅茶苦茶やってくれてたかなと思ったりなんかした
豪華俳優の共演。50年前の映画もスゴイ
2025版を観て面白かったので、1975版を観た。結果は1975版の圧勝。俳優が豪華だし、ただのパニック映画ではない。人間ドラマが熱い。高倉健の悪役に初めは違和感を感じるが、真面目な男が追い詰められて犯行に及ぶ姿に納得する。犯行は成功したかと思われたが、いい人ゆえに自滅する。ラストの空港の搭乗ゲートが一番の見所。豪華俳優の中でも、山本圭の熱演が印象に残った。
緊張感の連続
発砲していいの?!
ネトフリで新幹線大爆破のリメイク版が公開された記念に旧作の方も映画館で観れるという事だったので早速見てきました。
お客さんは自分含めて10名程度?でしたがゆっくり観れて良かったです。
ストーリーはざっくり言うと、爆弾を仕掛けられた新幹線で起きるパニックと刑事物ドラマを足したような感じでした。
思ってたよりも刑事の発砲シーンが多くて「そこで発砲していいの?!」とびっくりしながら観てました。
犯人も最後空港で捕まえるかと思いきや……うおおおそんな終わり方なんだ。とかなり衝撃的な結末でした。
まだネトフリ版を観てないのでこれから見比べながら観ようと思います。
人命より警察のメンツ?
午前9時48分、乗客約1500人を乗せた東京発博多行き、ひかり109号、が東京駅を発車した。しばらくすると国鉄本社に、109号に爆弾を仕掛けた、という電話が入った。爆弾は新幹線が時速80キロ以下になると自動的に爆発する仕掛だとの事。犯人は北海道で同様の仕掛で貨物列車を爆破させ、新幹線も同様の仕掛だと信じ込ませた。倒産した工場の元経営者・沖田たちの犯行であり、500万米ドルを要求した。運転指令長の倉持は運転士の青木に事件発生を知らせ、警察庁の須永刑事部長や公安本部長の宮下らは緊急対策本部を設置した。駆け引きが繰り広げられるなか、恐怖で極限状態に陥った人々を乗せた109号は山口県に入り博多まで残り時間はわずかとなり・・・さてどうなる、という話。
50年前の作品をNetflixのリバイバル新作版の配信にあわせて劇場で再上映。
まず、最初に疑問に思ったのは、犯人から要求されたお金を払って爆弾の処理方法を聞き出し、1500人の命を救う事が最優先なのに、柔道選手に声かけて犯人逮捕を優先したような警察の間抜けな行動が凄い違和感だった。
そしていくら容疑者だといっても、相手が拳銃も持ってないのにいきなり発砲するか?当時は容疑者とは呼ばず、犯人、って言ってたなぁ、と思い出した。
全体を通して、人命より警察のメンツが優先するのか?という疑問が頭の中をグルグルと回りながらの鑑賞だった。
こんな捜査してるから当時は冤罪が多かったんだなぁ!とも思った。
それはさておき、刻々とリミットが迫り、手に汗握るストーリーで全体を通して面白かった。
下り列車を上り車線に切り替えて走らせるシーンをもっと見たかったが、実写じゃ無理だよね。
新幹線が爆破されるイメージシーンは明らかに、模型だなぁ、という感じで、ウルトラマンなどの特撮っぽくて笑って観てた。
最後、沖田が警察に騙されて爆弾の止め方を電話するシーン、その後空港で元妻と息子と目が合うシーン、心の葛藤が観れて良かった。
強いてあげれば、お金を奪う目的が薄かったように感じた。
当時は米ドルと円の為替レートが300円位だったのはわかったが、15億円奪って偽パスポートで外国へ高飛び・・・その後の展望が見えなかったかな。
犯人・沖田役の高倉健、運転士・青木役の千葉真一、運転指令長倉持役の宇津井健、そして、丹波哲郎、田中邦衛、竜雷太、などなど、名優が勢揃いで圧巻だった。
沖田の元妻役の宇都宮雅代が美しかった。
長い…
アップテンポで突っ走る、スリリングなストーリー。国鉄の協力不要!忖度不要!作りたい映画は作る!
先日、リブート版が配信された作品の原作、オリジナル版。
昔、名画座でフランス語版を鑑賞、DVD購入して鑑賞。
そしてこの度、丸の内東映閉館に伴う「 昭和100年映画祭」で再鑑賞しましたが、面白かった!
終映後は、観客から拍手喝采でした!
「日本映画では非常にめずらしい」と毎回言うのも悲しいですが、とにかくアップテンポで突っ走る、スリリングなストーリー。
犯罪ものなので、犯人グループ、国鉄、警察、運転手、のやり取り、乗客たちのパニックと手に汗握る展開です。
そして、ちょい役も含めて豪華オールスターの出演、もちろん鉄道ネタもあり、国鉄に断られてオールセットで撮った新幹線、など見所満載です。
一時期、スーパー戦隊など東映特撮物に頻繁に流用された、今では貴重な新幹線のミニチュア特撮シーンも必見。
それでいて、人間ドラマ部分も疎かにされておらず、犯人側の高倉健などには感情移入してしまいます。
同時期に同じく新幹線をテーマにした東宝の犯罪映画「動脈列島」(田宮二郎VS近藤正臣)が公開され、東映VS東宝お新幹線対決があったのですが、そちらは「新幹線公害問題」を扱った社会派犯罪映画。
見比べるにはあまりにタイプが違いますが、「娯楽作」としての面白さの差は歴然です。
「動脈列島」のほうではミニチュア特撮の要素は一切無し。
通常映像をスロー再生で新幹線が止まったように見せるくらいしかしてなかったと思います。(若い頃の単純な頭に合わず面白くなかった記憶のみなので見直す気力はなくうろ覚え…間違ってたらすみません。)
不謹慎にも「大爆破」という言葉にワクワク感を感じてしまう。
細かい突っ込みは、この際どうでもいい!
いや、むしろ魅力の一部でもあると思えるのが、イイ映画、面白い映画だと思います。
再見して思ったポイントなどについて。
本作にあるある突っ込みポイントが2点あります。
1つ目は、通りかかる柔道部員!
2つ目は、喫茶店が偶然火事!
ですが、これらは、話の重要なアクセントでもあります。
どちらもご都合主義と言うよりは、「完全犯罪で起きる偶然のアキシデント」。
話がうまくいきすぎないための要素でした。
今回気付いた意外だった点。
パニック物などのお約束で、乗客の中に妊婦がいて無事出産、緊張感の中みんなが和んでちょっと感動。
という超お約束か、と思えば違う展開!!
乗客の中のお医者さん(しかもわざわざ、手慣れていそうな女医さん)の登場で安心させておいてから、落とすところがまた憎い。
これが終盤の宇津井健が犯人に「乗客には妊婦もいる」と訴えることにつながる。
しかも、その時点では子供は亡くなっているのに。
いつもなら安心の藤田弓子なのに!
ちなみに、乗車時に怒ってる田坂都が、まだ若くて可愛らしい。
当時は、「ちゃちいミニチュア特撮っ!これだから東映は・・・」ってバカにしてましたが、今の目で見ると結構頑張ってる、逆にリアルに見えるカットもあると思えるから不思議。
「敢えてミニチュアの魅力」と思える。
この特撮が無ければ、「砂の器」などのような、ただの優れた名作サスペンス映画と思ってたかも。
本作の魅力として重要な要素になってると思う。
さらに、国鉄が非協力でも、余計な忖度不要!撮りたい映画は撮る!作りたい映画のタイトルは変えん!
というところに映画屋の衿持を感じる!
さらに国鉄側の終盤での対応について。
災害の少ない地点で爆破させる計画(新作でもありました)や、犯人逮捕のため事件解決の公表を遅らせること、などは、今考えると客観的に見れば当然とも思えます。
このくだりでの宇津井健の演技がイイ。
彼自身の実直なキャラクターイメージが最大限に生かされていました。
期待しすぎた・・・・・・
2025年劇場鑑賞144本目。
エンドロール後映像無し。
昔の映画らしくエンドロール自体一瞬ですが。パンフレットないけど入場者特典で号外新聞風のをもらえたので減点なし。
以前から傑作だと聞いて観たいなと思って録画したのも持っているのですが、リバイバル上映ということでやっと鑑賞。
豪華キャストがもったいないくらいチョイ役で出ているオールスター映画と聞いていた割に、知らない人はとことん知らず、犯人をよそ見して見逃すマヌケな刑事役で出すくらいなら他のいい役空いてただろ、というのはまだいいとして、ストーリーが思っていたより雑というか、間抜けが多すぎるというのが印象です。
結構序盤で犯人の意図していない理由で新幹線が停止して爆発する危機になり、たまたまうまく国鉄側が解決しただけであそこで爆発してた可能性が高く、そういう事があったことすら犯人は知らないし、犯人と警察、国鉄側との駆け引きの心理サスペンスを期待していたら一切なく、どちらかというと国鉄と警察で解決方法に関して揉めてる次第。主に警察がいらんことして解決を長引かせるし、やっと助かるかと思ったらこんな訳ないやろというトラブル。運転手はしょっちゅうパニックになって言っても仕方ないことわめくの映画としてリアルというより見てらんないという方が強かったです。犯人の動機も新幹線を狙う理由には関係なく、誰も死なせず死なないという目標を掲げるのは立派ですが、対する結果に対して悔いていたらああいう行動しないよな、というラストでした。
見て良かった。お薦め!
リバイバル上映で初めて観ました。
新幹線大爆破シーンはさすがに模型感が出てて
時代を感じましたけど、機械の技術に頼らない、人間の心理的な演技やセリフまわし等は
本当に良かったです。
ハラハラドキドキさせて貰いました。
唯一、そうきたか!と残念だったのは、ラストに子どもを利用したこと……。
子ども目線で見たら、人間不信になるレベル。
己の仕事を全うする誇り
全87件中、1~20件目を表示