次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊のレビュー・感想・評価
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生きていてこそ咲く花よ。
傑作と前評判の第8部。金毘羅代参から石松最期の閻魔堂までというのだから、こりゃあ石松祭りだ!!と鼻息荒く観だしたのだが。
たしかに、森繁久彌の石松は粗雑でおちょこちょいで無鉄砲で惚れっぽくて、だからこそ憎めなく愛嬌たっぷりの石松だった。見受山の鎌太郎を演じた志村喬も、主役を食うほどに抜群の男っぷりだった。お民(映画では名前が違ってた)の度胸も、粋だった。
石松のロマンスは、まるで監督からのはなむけのようでうれしくなったが、石松の末路を知る身としては、どこか儚さが先に立った。それはいい。不満は、三十石船は?石松最期の描き方は?、どちらも相当苛立っている。「圧巻のラスト」と銘打ったのは、閻魔堂の斬り合いのこと?ちょっとネタバレだけど、都鳥三兄弟に貸した金を催促しない石松がいじらしいんじゃないか?そんな憎まれ役の三兄弟が石松を欺いて後ろから袈裟切りに一太刀浴びせ、それでも立ち回るからこそ石松の壮絶さが増すんじゃないのか?しかも、最後そのシーンで終わすか?
鎌太郎で大量加点、閻魔堂で大幅減点。いってこいのチャラ。ああ、荒神山観れるかなあ。
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