遥かな時代の階段をのレビュー・感想・評価
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川の流れのように
"私立探偵 濱マイク(映画)" 三部作第2部。
30周年記念上映で鑑賞(4Kデジタルリマスター版)。
横浜の川の利権を牛耳る伝説的存在「白い男」と濱マイクの対決を描く。自分と妹を捨てた母親リリーとの再会や父親についての衝撃的な事実に苦悩するマイクのハードボイルドを、永瀬正敏が若さ溢れる演技で魅せてくれました。
光りまくっている脇役を楽しむのが本シリーズの魅力のひとつだと確信。前作からの続投組もさることながら(佐野史郎の怪演が出色)、特に岡田英次の存在感が際立っていました。
ラスボス感を醸し出し、川を守るためには手段を選ばない非情さを持ちながら愛する者には優しい重層的な「白い男」を体現。修羅の道を歩んで来たのであろう貫禄にやられました。
マイクとのロシアンルーレットは両者の複雑な感情が交差するハラハラの名シーン。ルークとダース・ベイダーの対決の如くな悲しさを孕んでいて、結局「白い男」が父親なのか否かを観る者の解釈に委ねる演出が良かったです。
戦後の混乱から遥かな時代の階段を上り帝国を築いた「白い男」が死に、宙に浮いた川の利権は悪賢い神野の手中となって次の時代が始まりました。なんだかあっけなく、虚しい。それでも人々の営みは川の流れのように果てしなく続いていく。
[余談]
マイクがヨコハマのメリーさんに連れられて「白い男」の元へ向かうシーン。一瞬タイムスリップしたのかと思わせる演出が幻想的でおしゃれ。そもそも時代設定が曖昧と云うか、今と過去をごっちゃにしてぼかしている感じもまたおしゃれ。
"もっとハードボイルドを!…"な映画
2023年8月、濱マイク30周年記念企画4Kリマスター版を鑑賞。
前作にあった"国際派"な感じのハードボイルド路線は後退して、今作はもう濱マイクの出自とか家族とか、ちょっと人情くさいお話が中心でした。前作の中国マフィアとか、ちょっと暴力くさい感じが好きだったので、個人的には今ひとつな物語でした…。岡田英次演じる白い男もそれほど謎めいていないし…笑
そして、何よりも濱マイクがちょっと餓鬼くさいと言うか、もう子どもみたいで…全然ハードボイルドじゃない笑
まぁ、なんやかや言いましたけど、3作目ももちろん観ますけどね!
「流されて、次も地獄か・・・」
軽快なジャズ(演奏者 菊池成孔がクレジット でもどの曲かは不明)、助監督に行定勲がクレジット、そして千変万化の衣装替え等、そのスタイリッシュさ、滲み出る色気、ゴア表現を隠さない覚悟とビビットな色設計、前作から一変してカラーになってからのシリーズは、より愉しめる作品に仕上がっている 途中のタイムスリップしたかのような怪奇的な戦後直後の混沌とした街の情景演出を挿入する件や、唐突に始るロシアンルーレット等々、なんの因果関係もない中でゲームを興じる親子と、無粋な子分ヤクザの突入であっさり殺される父親 あっという間に願える刑事等々、今のドラマの作りからいうと、乱暴も甚だしいが、でもこれ位の端折り感が逆に俯瞰して作品を鑑賞出来るかもしれない 一種のピカレスク作品としても捉えることが出来、暴力的な主人公の青さが瑞々しくそして痛々しい様をスクリーンに惜しげもなく映し出される "理不尽"を重箱に詰めたような物語だが、それでも細かい事をグッと堪えて生きていく主人公の妹への兄弟愛に、何の結びつきもないのに安堵してしまうマジックがここにあるのだ
父
兎に角、濱マイクのファッションが今見てもカッコイイ!
ヤクザが市議会議員に当選はあり得ないなぁ
そんな世の中は嫌だなぁ
父が次に自分に銃弾が出るように、息子に渡している気がして、愛を感じた。
若かれし杉本哲太が、奥野瑛太に見える笑
若かれし濱マイク役が笠原秀幸さん
三部作目も期待☺️
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