「陰湿で陰鬱」十階のモスキート 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
陰湿で陰鬱
感情の引き出しが足りない、そんな不器用な男を演じる内田裕也に哀愁が漂い、優しさまでもが見受けられる不思議な存在感。
他の役者が演じていたらドウしようもないゲス野郎にしか見えないだろう、天然記念物的な内田裕也。
無駄に脇役人が豪華過ぎて、それを見つけるだけで楽しめる要素が含まれる。
別れた奥さんの家に押し掛けるシーンは、実際に樹木希林宅を思い起こさせるリアルさ!?
崔洋一の監督デビュー作、初期衝動は炸裂させずに神代辰巳や若松孝二と比べ、手腕が足りない不満が残る。
人生ドン底、誰にでも起こる可能性はある現実の厳しさ、そんな中でも性欲は満たされる男。
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