劇場公開日 1963年12月7日

「侍(浪人)だって命は惜しいわい!!」十三人の刺客(1963) sigeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0侍(浪人)だって命は惜しいわい!!

2011年1月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

どうしてもリメイク版と比較してしまうのですが・・・。

両者に話の大きな違いはないけれど
リメイク版よりも淡々と描いているように思いました。
逆にリメイク版の台詞は忠実に原作を踏襲していること、
なおかつただの焼き直しではなく
新たな要素や“みなごろし”“斬って斬って斬りまくれ”といった
作品を象徴するようなフレーズを付け加えていたことも分かり、
リメイク版に対する評価が上がりました。

リメイク版での批評にもあったように
十三人のうち五、六人は“十把一絡げ”になってしまっている感は否めません。
むしろ、リメイク版の方が短いながらも丁寧に描いていたような気がします。
そう思うと長尺であるからかもしれませんが
「七人の侍」の方がやはり一人ひとりのキャラクターがしっかりと描かれているような気がしますし、
やはり十三人は数的に多いのかなとも思います。

しかし、何といってもこの作品は肝は
西村晃が演じる浪人の描き方です。

侍(浪人)とは“ストイック”“あまり動じることがない”、
そういったイメージを持ってしまいますが
最後の大殺陣で見事に裏切ってくれます。
こんな描き方をした時代劇は見たことありません。
より人間くささを感じました。

sige