「太宰の娘」斜陽のおもかげ odeoonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
太宰の娘
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原作の太田 治子は太宰治の「斜陽」の主人公「かず子」のモデルとなった太田静子と太宰の不倫の娘、映画では治子でなく町子と変えているが彼女が書いた手記がベースだから実話っぽいが、治子は母・静子の肝臓癌発覚による看護で長く独身を通して30代後半で見合い結婚したらしいから大学生圭次との恋愛関係は脚色でしょうかね。
愛人の子、「斜陽」の子と見下されて育った苦悩は分かるが、それも運命だから致し方ありませんね。父である太宰の本性がもっと描かれるかと思ったが母静子も津軽の親戚筋も語るのは月並みな思い出話ばかりだから新発見はありませんでした。ただ、親交のあった檀一雄さん、ご本人登場、「太宰は底抜けの明るい男だった」と言っていたのには意外な驚き。
治子は太宰に認知され名前の一字を授かり別れた後も養育費は貰っていたようですが、直ぐに別の女と入水心中とは無責任、ただ、入水の現場には下駄を思い切り突っ張った跡があったこと、手をついて滑り落ちるのを止めようとした跡も歴然と残っており太宰は死を躊躇していたとの見解もあったようです。
町子は太宰のことは父と言うのに母に対してはママと洋風なのがちょっと気になりました。ただ、パパママは明治時代から呼ばれ始めたらしいから脚色でもないのでしょう。
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