「伊丹映画の新境地」静かな生活 撃たれる前に撃てさんの映画レビュー(感想・評価)
伊丹映画の新境地
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それまでの伊丹映画は個性的な面々が所狭しと暴れ回る映画って言う印象だったが、この作品に関しては身近な人(伊丹監督の妹が大江健三郎の奥様)の原作であったこともあってか、家族の優しさと穏やかさ、暖かさに包まれた素敵な映画でした。
ただ後半に行くにつけて、不穏な展開になっていく。しかしそれは今までの伊丹映画のようなハンマーで叩き割る展開ではなく、カミソリで知らない内に切れてしまってるようなさりげなくも現実的な問題として家族の前に現れてしまう。パパの鬱、イーヨへの差別、マーちゃんの世間知らずさが起こしてしまうトラブルなど。
それでもそれをしっかり乗り越える明るい家族は穏やかな日本人の普通の家族を思い起こさせる。
あとはイーヨのモデルになった大江光さんの音楽は素敵の一言。間違いなく映画の格調を高めてました。
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