「ワンマンの作った「時代絵巻」」地獄門 jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
ワンマンの作った「時代絵巻」
大映のワンマン社長、永田雅一が 周囲の反対を押し切り製作
海外の賞を 数々、取って勝ち誇った訳だが(永田が) やはり周囲の意見が正しかったように思う(笑)
原作に あまり魅力がないのだ
主人公が 三者共、別々の方向をむき 無情感はあるのだが、弱い
盛遠の愚かさも、貞女の鑑の様な 袈裟も、時代と共に ますます観客を白けさせる ばかりである
永田が「映画向き」と考えた、装束や日本家屋独特の装飾(とくに風に揺れる 御簾の美しさ)と和色の活用、騎馬競争などに 見処はあるが
原因となる盛遠に、見るべき所が 全く無い
そんな男を、堂々と演じる 長谷川一夫
繊細さも まるで感じられない
映画的リアリズムも 欠けているのでは?
最後はストーカー盛遠が 袈裟の家に乱入する訳なのだが、(簡単に侵入出来る)日本家屋の構造について、考えさせられた(笑)
門番とかいないの?
庭から 誰でも入ってこれちゃうの?
渡の居ない時は、女ばかりで平気なの?
日本の治安は どうなってたの?
(あの頃から、神話的に安全なのか)
等々
いまでは「ワンマン」という 言葉は死語になったが、「パワハラ」「セクハラ」「ストーカー」等の
言葉が隆盛なのは 残念である
コメントする