「人命軽視の戦術・兵器への批判」さらばラバウル しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
人命軽視の戦術・兵器への批判
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日本映画専門チャンネルで鑑賞。
同年11月公開の「ゴジラ」の製作・田中友幸氏、監督・本多猪四郎氏、特撮・円谷英二氏のトリオによる、太平洋戦争末期のラバウルを舞台に男女の悲恋を描いたメロドラマ。
池部良氏や岡田茉莉子氏などを擁した豪華キャスト、ラバウルの街並みを再現したオープンセット、円谷特撮過渡期の空中戦描写が重厚さを醸し出し、反戦を強く訴え掛ける。
人命軽視の戦術や兵器で、多くの命が失われた事実を痛烈に批判する。本作で描かれるゼロ戦は、高い速度性能を獲得するために、防御機能を排除した構造であることが有名である。
生きることの尊さ、多くの人の命を奪う戦争の残酷さを伝えるため、示唆に富んだセリフが多く、胸に迫る。愛に散った若林大尉を鎮魂する「ラバウル小唄」で締めるラストが良い。
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