サヨンの鐘のレビュー・感想・評価
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戦時中の映画作りは難しい
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戦時国策映画で、台湾植民地政策を宣揚する意図があったと思うのですが、う~ん、あまり成功したとはみえない。サヨンという少女の実話に基づいた作品とのことです。
上映時間が90分という情報もあるのですが、実際は75分でした。古いフィルムで画面も音声もよくない。所々、ブツッと切れて話が断絶してるから、欠損があるようです。
台湾の山岳地帯が舞台でそこに住む高砂族の皇民化のようすが描かれます。急峻な所でネット情報では台湾現地ロケの予定が‥とありますが、どうなったか不明。なんとなく日本の草木のように見える。
李香蘭(山口淑子)が野性的な現地人の少女サヨンを演じていて、これは演技上々。
なにしろストーリーがまとまり悪いです。三角関係のはなしとか湖開拓の話とか雑然として決着もつかない。やっぱり戦時の製作環境の悪さが影響しているんでしょう。
ラスト、サヨンは豪雨の夜に川にはまって死んでしまう。日本軍人の見送りで、来なくていいって言われたのに。実話では荷物を運ぶためだったらしいが、それなら映画でもそうした方が無駄死に感がなくてよかったのでは。
と、思うのは現代人感覚で、当時としてはこの方が少女のけなげさが出ると思ったのかもしれません。
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