「なぜか尾道が自分の故郷のように感じてしまった映画」さびしんぼう ジョニーデブさんの映画レビュー(感想・評価)
なぜか尾道が自分の故郷のように感じてしまった映画
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坂道の多い尾道の風景、ひろきの片思いの女子高生の存在、彼女をファインダーから覗く、さびしんぼうはひろきが好きなのに最後は消えるしかない存在等、切ないシーンがいっぱい。とくに自宅のお寺の階段でさびしんぼうが待っているシーン。2回あるが、2回目の雨のなかのほうは何度観ても泣けてくる。女子高生に会いに行った帰りを待っているしびしんぼう、「どうだった?」と、ひろきに聞くシーンが特に切なくなる。さびしんぼうはいつもピエロのようなメイキャップであるが、それがまた泣いているような感じで切ない、しかもここは雨でメイキャップが流れるのだが、確かに目からは涙を流している。雨に濡れると死んでしまうのに、彼を待っていたのである。結局、濡れたために消えてしまい二度と会えなくなってしまう(消える時期でもあったが)。
劇場で観たあとは、ビデオで何度も観ているが、他の部分は飛ばしてさびしんぼうが出てくるシーンばかり観ている。
話としては、さびしんぼうの存在自体は母親の高校生のときの幻影のようなもので、それを考えると、ひろきのことを想うさびしいぼうの存在はイマイチおかしな存在になってしまう。個人的には、片想いだがひろきのことが好きな女子高校生として捉えている。さびしんぼうの部分だけ何度も再生していくと、それが正しい理解だと思えてくる。原作とは違うかもしれないが、そのように観ているせいか、私にとってかけがえのない映画となっている。
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