「片腕ドラゴン!!!」新座頭市・破れ!唐人剣 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
片腕ドラゴン!!!
王剛(ウォング)は片腕。まったく日本語がわからない。それで少年が片言の日本語で通訳するのだが、異国間のやりとりは面白い。目的地の福龍寺の途中、一軒の民家に泊まるが、そこで真相を聞かされる。少年と両親を助けるべく大名行列に飛び込み3人ほど斬ったあと、南部藩の侍が通行人全てを斬り殺したのだった・・・
今回のお笑い役はてんぷくトリオ。しかも三波伸介が盲人役だ。
古川の藤兵衛一家は大名に取り入るため血眼になって唐人を追い、かくまっていたお米(寺田路恵)の両親をも惨殺する。捕えられたお米は藤兵衛に座頭市が密告した悪者だと吹き込み、その結果、お米の恨みをかうことに・・・お米は王剛と少年と同行して福龍寺へ行くことになった。
福龍寺に到着したかどうか心配になった市は様子を見に行こうとしたため、そこで王剛の親友である日本人坊主の覚全(南原宏治)と出会い、彼が藤兵衛一家に密告するのだ。金欲しさのために、こうも人間は狂わされるんだな・・・と、襲われ、少年を連れ去られた王剛とお米。またまたお米は座頭市を憎む。
王剛は少年奪還のため単独で引き渡し約束の地へ向かい、そこで覚全も親友でありながら裏切ったことに気付く。片腕ドラゴンはバッタバッタと悪人を斬るが、最後は座頭市とも闘って死ぬのだ。。
決闘の場所も香港カンフーによく出てくるような石切り場。言葉さえ通じていれば斬り合わずに済んだのに・・・と両者が中国語と日本語でつぶやくところが痛々しい。
酌婦お仙役の浜木綿子は40年前の映画だというのに、今と全く変わってない感じ。言葉の通じないジミー・ウォングがとてもいい。『片腕ドラゴン』シリーズと同じ、片腕の設定もB級感があふれてる。
藩士たちの凶行はそれほど現れてないが、大名行列に飛び込んだ者を斬るだけではなく、それを目撃した人間も斬り捨てるということがかなり社会派タッチで描かれればもっとよくなったかもしれない。