「ブラインド・フューリー」座頭市血煙り街道 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ブラインド・フューリー
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後にルトガー・ハウアーが主演した『ブラインド・フューリー』は本作のリメイク。三隅監督では4作目になるが、『子連れ狼』シリーズも撮っているので子どもを登場させるのがうまい。ようやく座頭市のスタイルを確立したのであろうか、冒頭ではテーマ曲とも言える勝新太郎の歌が聞ける。おまけに中尾ミエの歌まで楽しめるのだ・・・
旅芸人一座のともゑ太夫(朝岡雪路)は前原塾を万造一家が仕切っていることを知り愕然とする。赤塚(近衛)に難儀を救われ、毎年興行に呼ばれていた箕輪の惣兵衛に頼る。と、ストーリー的にはここまでの旅芸人。惣兵衛が殺され、市たちとは別れることになった。
庄吉は前原の権造(小池朝雄)によって御禁制の金粉、銀粉を使った焼き物の下絵を描かされていた。設定としてはかなり珍しいもの。絵も春画のような艶っぽいもので、これらは権造と代官たちが裕福な大名たちに売りつけ儲けようと企んだものだったのだ(前田の殿様なら五千両出すといったところも面白い)。それを公儀の隠密たる赤塚たちが消し去ろうとしていたわけだ。庄吉を逃したものの赤塚は彼をも斬ろうとしたことで、市との対決となる・・・いつもと違い、かなり長い殺陣。刺されて負けた赤塚の去り際もかっこいい。
親子の対面を果たしたものの、子どもはすっかり市になついてしまい、父親の庄吉の立場がない(笑)。子どもが出来ていたことすら知らなかったんだから、しょうがないか・・・
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