劇場公開日 1964年10月17日

「人情話の佳作」座頭市血笑旅 sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人情話の佳作

2024年7月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

自分の身代わりに亡くなった母親が守った赤ん坊を、父親のもとまで届ける座頭市。
簡単にいうと、これだけのストーリーなのだが、自分の立場をわきまえながら、不義や不正は許さない市の生き方のぶれない芯が鮮明に表現され、観る者の心に訴えてくる。
「子どもに恥ずかしくない生き方」を努めて行おうとする市だが、葛藤も描かれていて、その人間くささにも惹かれる。
三隅研次監督作品は3本目の鑑賞だが、やっぱり画面の絵づくりが見事。
今作には、殺陣のシーンの派手さはないが、他作にはない束の間の幸福感や、別れの切なさなど、登場人物たちの内面によりスポットがあたり、見ごたえは充分。座頭市のシリーズということを外して、単独の映画作品としてみても、人情話の佳作だと思う。

BS12にて鑑賞。

sow_miya