劇場公開日 1964年10月17日

「一般向けのベスト座頭市」座頭市血笑旅 tさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0一般向けのベスト座頭市

tさん
2019年1月12日
PCから投稿

泣ける

楽しい

幸せ

名作。凄く良かった。映画として面白い。勝新太郎ファン以外でも、楽しめる一作だと思う。スプラッター演出は一切ないのでご安心を。勝新版の座頭市を初めて見るなら、本作が良いかもしれないなぁ。泣ける・・・かもしれません笑。

座頭市と赤ん坊のロードムービー。北野武の「菊次郎の夏」って、これを元にしてるのでは?似たような物語です。

座頭市と言えば、神のような無敵の勝新、というイメージですが・・・本作はそうではない。とても人間ぽい。座頭市が人間的な弱みを見せたのは、本作が初めてなのでは?

僕は三隅研次監督を誤解していたよ。この人、全然スプラッターなキワモノ監督ではない。正統派な静かな時代劇の名手だと思う。
その証拠に、本作には殺陣での見せ場はない。会話による駆け引き(クレバーな座頭市)におけるギャグ、というか人間ドラマが見せ場。

観終わった後で幸せな気持ちになれる(そんな座頭市があったとはw)。

劇場版の座頭市シリーズは、毛色の違う製作者が上手くローテーションされてるから良かったのかもしれないね。各作品で力の入れどころが違う。毎回正統派時代劇でも飽きるし、キワモノ映画一辺倒でも長続きしない。色んな色を見せておいて、たまーに、三隅監督の正統派時代劇が来る、というのが良いのかも。

シリーズものを長生きさせるコツかもしれない。

t