御用金のレビュー・感想・評価
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前半はテンポが悪くモタモタしているが、後半は良い演出や迫力ある映像が続き見応えタップリ
御用金
1969年東宝配給
製作はフジテレビと東宝系列の東京映画
テレビ局が映画製作に乗り出した第1号作品
監督は三匹の侍でフジテレビの看板ディレクターになった五社英雄監督
主演は仲代達矢、当初三船敏郎も
重要な役の藤巻左門役で撮影に入ったが、仲代とのトラブルで途中降板して中村錦之助と交代シたことで有名
前半はテンポが悪くモタモタしているが、後半は良い演出や迫力ある映像が続き見応えタップリ
もし三船敏郎が出演して完成していたら、前半のモタモタも無かったかもしれない
そうなれば大傑作に鳴ったはずなのにもったいない限り
浅丘ルリ子が素晴らしい
1975年にハリウッドでリメイクされているそうで、西部劇の味わいも強い
、
五社英雄らしくない
この作品は、公開当時に鑑賞しましたが途中で眠くなったほどでほとんど印象に残っていませんでした。ところが、他の方々のレビューが高評価なので。今回、50年ぶりに再見しましたが、冗長さ、テンポの悪さ、無駄なカット、仲代達矢は何がしたいのかさっぱりわからないし、丹波哲郎の非情さの不徹底ぶり等々、本当にイライラさせられる作品でした。夏八木勲も仲代達矢を殺したいのであれば弓でも鉄砲でも使って殺せば済むものを、なぜ殺し屋を差し向けるのかさっぱりわかりません。そのくせ、手が悴んで刀が握れない、決闘の最中に手を息で温めるなどリアルに描いている、かと思えば、そんなに寒い中を軽装のまま去っていく仲代達也など、脚本家が馬鹿だからばかばかしくて話が盛り上がらないのです。30分カットして再編集すればもっとテンポのある作品になったでしょうに残念です。また、殺陣も期待したほどではなく、次に作った「人斬り」に比べると五社英雄らしさは全く見られません。それでも、これが外国には受けたようでリメイクまでされているのですがリメイク作品も五社英雄演出を忠実にコビーしておりばかばかしくて途中で見るのをやめてしまいました。Panavision本邦初使用とのことですが、カメラはストーリーテリングの道具であって、カメラに合わせた演出をするのは本末転倒でしょう。五社英雄はセルジオ・コルブッチのファンだったようで、ぬかるみの道は「続・荒野の用心棒」、雪景色は「殺しが静かにやってくる」の影響というよりはパクリであることは明らかです。だからこそ、外国受けしたのでしょう。もし、セルジオ・レオーネの影響を受けていれば、もっと違った演出となり、もっと面白い作品になったと思います。最後の、仲代達矢と丹波哲郎の戦いは、「切腹」の両人の斬りあいと比べたらそれこそ月とスッポンの差があります。佐藤勝の音楽がいいと思ったら、これもまた「殺しが静かにやってくる」のエンニオ・モリコーネに似ておりなんともはや・・・。五社英雄らしくないこのような駄作を作った当時の五社英雄の精神状態は、おそらく、想像ですが、尋常ではなかったのではないでしょうか。
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