「肩に懸れる一軍の安危はいかに重からん」五人の斥候兵 ひろちゃんのカレシさんの映画レビュー(感想・評価)
肩に懸れる一軍の安危はいかに重からん
九死に一生を得て帰還した斥候兵が翌日直ちに死地へと赴く、という不条理がキモなのだろう。あの時代に戦意高揚という建前のもと、曳かれていくアヒルに兵の運命を仮託してその不条理を仄めかすような工夫には頭が下がる。だからこれを見て、戦争や軍隊を美化するのはけしからん!と騒ぐのは無神経の極みだし、安易に「反戦」(←括弧付きね)に結びつけるのはただ乗りを通り越して悪用と言うべきだろう。
そもそも戦争がもたらすのは死と破壊、残すものは悲嘆と怨嗟なのだからしない方が良いに決まっていて、真剣に戦争というモノを俎上に載せて無くす為に知恵を出し合うべきなのだが、「せんそーはんたい」と唱えながら行進するのはその正反対、「臭いものには蓋」の思考停止でしか無い。「〇〇反対」を唱えて本当にその〇〇が消えてなくなるなら、ぜひ交通事故や糖尿病にも反対して頂きたいものだ。
軍ヲタ的には38式歩兵銃の槓桿 の動きが欧米と逆だったり92式重機関銃の発射速度の遅さ等、楽しませてもらった。
それにしても、あんな長い伝言をよく暗記できるもんだなぁ…途中で話しかけられたら、うぎゃぁ!って言ってしまいそう。
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