劇場公開日 1996年6月29日

「5人の女」GONIN2 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.55人の女

2021年2月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

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1996年に製作された“続編”ではなく、“第2弾”。
前作とは話に繋がりナシ。本作は本作で独立した作品になっている。
95年版の後日談は2015年に製作された『~サーガ』。

キャストを男から女に一新したのが最大の特徴。
売春婦のサユリ。
男に捨てられた蘭。
セクハラ被害の早紀。
夫に浮気された志保。
新宿の宝石店に居合わせた4人の女。突然、中嶋組のヤクザが襲撃。手引きしたのは店員のちひろ。
しかしひょんな事から、時価10億円相当の宝石を横取りし、5人で逃亡する事に…。

スタイリッシュさはそのままに、『ヌードの夜』や後の『甘い鞭』などの方こそ石井隆監督の十八番。官能さや華やかさを加味。
前作に引き続き担当の安川午朗の音楽もクール。

しかし…、キャストを女性に変えて焼き直した感は否めない。
また、やはり男たちの壮絶な闘いとハードボイルド世界は最高にカッコよく、インパクトにも欠けた。
別に某会長の軽視発言ではなく、あくまで個人的な好み。

大竹しのぶ、余貴美子、夏川結衣…今また共演しても豪華。
彼女たちの命がけの逃亡&闘いに、緒形拳演じる中嶋組に妻を殺された男の復讐劇が絡む。
ただ前作と同じじゃ面白くないと今回の新機軸で、勿論緒形もさすがの狂気の怪演を見せるのだが…、焼き直しは焼き直しでも、女たちのハードボイルドだけで見たかった気もする。

豪華実力派女優陣や名優緒形の中に於いても、一際印象残したのが喜多嶋舞。
若々しい美貌は勿論だが、文字通りもみくちゃにされ、囚われた場から命からがらの脱出。ボロボロ汚れながら、体当たり大熱演!
諸々の諸事情により引退したが、この96年は『八つ墓村』にも出演し、当時は本作は知らなかったが、喜多嶋舞という女優をしった年でもあった。

近大