「ユニークな趣向を凝らし、ゴジラ新時代の幕開け」ゴジラ×メガギラス G消滅作戦 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ユニークな趣向を凝らし、ゴジラ新時代の幕開け
シリーズ24作目。
『ゴジラ2000 ミレニアム』から始まった“ミレニアムシリーズ”は、毎回監督が異なり、ストーリーも設定もリセットされ、独自の世界が展開される。
その第2弾となる本作の監督を務めたのは、初登板となる手塚昌明。
この人の登板が、ミレニアムシリーズに潤いをもたらした。
初代ゴジラが死んでいなかった(!)という驚きの設定にしたり、第一作目のシーンをリメイクしたりと、大胆に、かつ新しいゴジラ映画を作ろうという心意気が伝わって来る。
対戦相手は新怪獣メガギラス…と思いきや、『空の大怪獣ラドン』に登場したメガヌロンの進化版で、こんなマイナーなキャラを引っ張って来るとは、ファンとしてはニヤリ。
ゴジラは前作とデザインは変わらないものの、ストーリーが迷走しゴジラ自身も迷走した前作と違ってハッキリしている。
ズバリ、打倒ゴジラ。
ゴジラに上官を殺されたヒロイン・桐子がゴジラに戦いを挑む。
演じる田中美里が実に凛としててイイ。ラストカットも印象的。
対するゴジラも強大な敵として君臨し、存在感を見せつける。
また音楽を、これまた初登板となる大島ミチルが担当。
伊福部昭とは違った、新しいゴジラの音楽世界を作り上げた。
大島ミチル版ゴジラのテーマは結構好きだ。
設定が大胆なら、ストーリーもユニーク。
新首都・大阪とか人工ブラックホールとか、荒唐無稽のようにも思えるが、それを払拭するほどの面白味がある。
星由里子の出演も懐かしい。
ゴジラの新しい時代の幕が上がった。
コメントする