「ゴジラ死す」ゴジラVSデストロイア 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ゴジラ死す
シリーズ22作目。
“ゴジラ死す”というキャッチコピーは衝撃的だった。
衝撃的であると同時に、非常に興味を惹かれた。
怪獣王に相応しいどんな最期が描かれるのか?
また、謎の新怪獣デストロイアや、ストーリーも公開まで秘密、ゴジラジュニアも公開されて初めてその存在を知った等、これまでの平成VSシリーズとは意気込みが違う事は明白だ。
バース島の消滅で体内が異常をきたし、いつ核爆発を起こすか分からなくなったゴジラ。
言わば、歩く爆発寸前の原発。
今思うと、非常に恐ろしい。と言うか、タブー。
体を赤く発光させた今までにない姿で出現、香港を襲撃する冒頭は印象深い。
(それにしても、この時初めて聞いた“メルトダウン”という言葉を、まさかその後現実で聞くようになるとは…!)
同じ頃、東京湾海底で事故が相次ぐ。
太古の微生物が、かつてゴジラを消滅させたオキシジェン・デストロイヤーによって異常進化。遂に人類の前に姿を現し、体長数ミリ〜人間大〜数十m〜ゴジラをも超える巨体へと急激に成長していく。
デストロイアの存在は人類にとっても脅威。
しかし、ゴジラを消し去る事が出来るのはデストロイアしかいない。
人類はゴジラとデストロイアを闘わせようとするが、ゴジラのタイムリミットも後僅か…。
スタッフに平成VSシリーズ最大のヒットとなった『ゴジラvsモスラ』の布陣が再結集、万全の態勢でゴジラの最期に挑む。
脚本に大森一樹が復帰し、Gフォースの存在によって少々現実離れした設定を再び自衛隊に戻した点は評価に値する。
ゴジラ爆発までのタイムリミット、自衛隊対デストロイア、ゴジラジュニアの存在、そしてゴジラとデストロイアのラストバトル…見せ場を緊張感たっぷりに綴る。
第一作目のヒロイン、河内桃子演じる山根恵美子の登場は、ファンとしては嬉しいサプライズ。
だけど何と言っても最大の見せ場は、ゴジラの最期。
ゴジラの誕生から最期まで携わった伊福部昭の荘厳なレクイエム曲と共にゴジラが最期を迎えるラストは、幻想的で神秘的で感動的で万感の思い。
その伊福部昭と、ゴジラの生みの親である田中友幸プロデューサーにとって、最期のゴジラ映画になった。
ラストのラスト、放射能の霧の中にゴジラの姿が。
ネタバレで言うと、ゴジラジュニアが新ゴジラとして誕生したという事になっているが、僕の解釈は違う。
あのゴジラは幻。
再び、ゴジラが現る日までの…。
またまたコメントありがとうございます!
やっぱり衝撃的ですよね。
確かにスタッフの布陣としては、草創期からのメンバーはこの作品で最後なんですよね。
現在でも愛される作品を残していただいたことに、心からの敬意を表したいと思う次第です。