劇場公開日 1993年12月11日

「決戦は幕張!平成ゴジラシリーズらしい大味な特撮 ほとんど格闘しないメカゴジラと操演のみのラドンも残念。伊福部昭のメカゴジラのテーマは重量感あり、 圧倒的に映像が音楽に負けてる」ゴジラVSメカゴジラ ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5決戦は幕張!平成ゴジラシリーズらしい大味な特撮 ほとんど格闘しないメカゴジラと操演のみのラドンも残念。伊福部昭のメカゴジラのテーマは重量感あり、 圧倒的に映像が音楽に負けてる

2025年2月11日
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鑑賞方法:映画館

公開当時、リアルタイムで鑑賞。
さらに2018年TOHOシネマズ日劇ファイナル上映で観て以来久々の鑑賞。
「ゴジラシアター」も、ゴジラ>対メカゴジラ>メカゴジラの逆襲>VSメカゴジラとどんどんスクリーンが小さくなっていくのが悲しい。

当時、最初のハリウッド版ゴジラの製作が決まっていて、シリーズ最後の作品として企画されたため、やはり最後は「メカゴジラ」、そしてラドンも登場になったといいます!
後の「ゴジラXメカゴジラ」とは異なる丸みのあるフォルムは、放射能火炎を跳ね返すため!
個人的には、ずんぐりしてて、熊みたいで好きでないですが…。
話は平成シリーズでずっとつながってて、引き続きの出演者も。

前作「VSキングギドラ」に出てきたメカキングギドラの「未来人の技術」を取り入れて作られたメカゴジラとの対戦が見ものなのは言うまでもないですが、現代に蘇ったラドンとともに現れた卵から生まれたベビーゴジラによる「命の継承」もテーマとして描かれます!

メカゴジラがホバリングやら武器発射やらが中心で「ほとんど動かない」のが残念。
格闘戦が無いのは、リアリズムを尊重したからか?
そして、やはりアナログ特撮の魅力!
クライマックスの舞台となる幕張の広大なミニチュアセットが素晴らしい。
戦闘で倒壊する高層ビル!
予算がそこに集中する分、他の都市破壊シーンは合成ばかり…。
この「大味な特撮」はジぢでもあり、平成ゴジラの特徴といえます。
復活したラドンも操演のみで迫力無し。
「地球最大の決戦」のゴジラ対ラドンに遠く及ばない。

そしてゴジラといえば、音楽は伊福部昭!
ゴジラのテーマだけでなく、ラドンのテーマも再びよみがえった!!トリハダものです!
新たなメカゴジラのテーマは、超巨大な機械の歯車がグリグリと動くような、壮大な重量感ある音楽が最高です!
新作マーチ、Gフォースマーチも軽快!
しかし本作のテーマともいえるメロディは、エンドロールに流れる、古代植物の音楽の調べ。
ベビーゴジラと梓のテーマと並び優しく美しいメロディが印象的。
映像が音楽に圧倒的に負けてます。

主演、高嶋政宏は「ガンヘッド」の筋肉男でなく、科学オタクでユーモラスな役が良かったです。
ヒロインは、武豊と結婚前の佐野量子!
もう一人のヒロイン、シリーズに引き続き出演している小高恵美は、ついに戦闘に参加!
何とメカゴジラにまで搭乗するところは、場違いなところに無理やり駆り出された感じが実に痛々しい。
さらに、佐原健二、上田耕一、川津祐介ら特撮映画の常連に加えて、高島忠夫が特別出演していて、親子共演を果たしてます。
中尾彬演じる麻生はGフォース長官で登場。
どうみても悪役ですが、後の作品では遂に首相に昇進しました。
また、平成ガメラの中山忍もちょっとでてましたね!

もう今は絶対にできない、大掛かりなアナログ・ミニチュア特撮の最後の盛り上がり、特撮超大作を楽しめます!

ITOYA