「生物VS機械…命を巡る壮絶なバトル!」ゴジラVSメカゴジラ しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
生物VS機械…命を巡る壮絶なバトル!
ゴジラシリーズ第20作(VSシリーズ第4作)。
ゴジラ生誕40周年・シリーズ第20作記念作品。
DVDで11回目の鑑賞。
翌年にハリウッド版の公開が予定されていたため、本作をもってシリーズを一旦終了することになっていました。
しかし、ハリウッド版製作が延期になってしまったため、次作「ゴジラVSスペースゴジラ」が急遽製作されました。
メカゴジラが19年ぶりに復活しました。国連G対策センターが開発した対ゴジラ用戦闘マシンとしての登場。海底から引き上げられたメカキングギドラの残骸から、23世紀のオーバーテクノロジーを分析して建造されました。
ゴジラの熱線を増幅して撃ち返したり、高出力のメーサー兵器を搭載しているなど、VSシリーズに登場した数々のメカニックの流れを踏まえた上での設定に感激しました。支援機のガルーダと合体して、スーパーメカゴジラになるなど、男の子が無条件で興奮する設定がいっぱい!
VSシリーズならではの多彩な光線技を多用した戦いが色鮮やかで、興奮が止まりませんでした。Gクラッシャーでゴジラの腰部にある第二の脳を粉砕し、あと一歩のところまでゴジラを追い詰めた最強のロボット兵器なのだ!
さらに、翼竜怪獣ラドンも復活!
翼竜感が強調されているように思いました。サイズもゴジラより小さいと云うところが絶妙…。精悍な顔付きも相まって、個人的にベスト・ラドンでございます(笑)。
一度はゴジラに敗れてしまいましたが、ファイヤーラドンに姿を変えて復活! ゴジラの味方となって幕張最終決戦に参加しました。スーパーメカゴジラの攻撃によって行動不能となったゴジラへの命を投げ打った献身的な行動に感動しました。
ベビーゴジラ…重要なキーパーソン(キー怪獣?)。
アドノア島に残されていたゴジラザウルスの卵から誕生しました。怯えると目が赤くなり、赤ん坊のような泣き声を発するのがかわいい…。思わず守りたくなる存在だなと思いました。成長するとゴジラになるだなんて信じられない…
生物と機械のバトルを通して、命と向き合うとはどういうことなのかを問い掛けているように感じました。
Gフォースはゴジラを無人島に誘き出すために、ベビーゴジラを囮として利用しました。ゴジラの同族とは云え、まだ幼い命を利用しようとするのは、決して善い行いとは言えませんなぁ…。自分たちがベビーのことを完璧に掌握していると思い込んだ結果の暴虐であります。それが呼び水となり、ファイヤーラドンにベビーを輸送コンテナごと奪還され、幕張が戦場となってしまう原因となってしまいました。
Gクラッシャーでゴジラを絶命寸前まで追い詰めたメカゴジラでしたが、ファイヤーラドンの捨て身の行動によって復活したゴジラの火力の前に木っ端微塵に粉砕されてしまいました。
命を弄ぼうとした人類が、生命が持つ偉大なエネルギーの前に、その傲慢さを見事に打ち砕かれてしまったのです。科学の進歩と共に、命が軽んじられるようになってはいけないし、それを弄んで繁栄しようと考えるのは思い上がりであり、神をも恐れぬ愚かしい所業ではないでしょうか…?
一緒に海に帰っていくゴジラとベビーゴジラの姿に、命の尊さと美しさが籠められているように感じました。シリーズを通して描いて来たことの集大成だなと思いました。
※追記(2020/12/13)
公開27周年と云うことで、勝手に記念鑑賞しました。
日はズレましたが…(笑)。
※鑑賞記録
2020/01/29:Amazon Prime Video
2020/12/13:Netflix
※修正(2022/06/05)
近大さんへ。
コメントありがとうございます。
確かに納得です。
ゴジラ映画に伊福部サウンドは欠かせませんよねぇ…。聴いただけですぐにゴジラをイメージできるあのテーマ曲と言い、本作のメカゴジラのテーマと言い、セットにして考えないと語れません(笑)
何と言っても本作は、伊福部先生の音楽ですね。
新メカゴジラのテーマによるメインタイトルの迫力、カッコよさは、今でもこれまで見た映画の中でもBEST級です。
庵野監督もこのテーマ曲が大好きで、『シン・ゴジラ』のEDでどうしても流したかったとか。
伊福部先生、偉大ナリ!