「「メカゴジラシリーズ第二弾・出来は良いがゴジラシリーズ観客動員数のワーストを記録したため、「昭和ゴジラシリーズ」は制作を一旦終了となった作品」」メカゴジラの逆襲 菊千代さんの映画レビュー(感想・評価)
「メカゴジラシリーズ第二弾・出来は良いがゴジラシリーズ観客動員数のワーストを記録したため、「昭和ゴジラシリーズ」は制作を一旦終了となった作品」
★独自採点(63):前作で海に沈んだメカゴジラを復活させ、人気のメカゴジラシリーズとした続編、チャンピオン祭り。久々の本多猪四郎監督(遺作)・伊福部昭音楽そして昭和最後のゴジラ。シリーズ唯一の女性脚本家による作品、ドラマ性が強い。昭和2代目ゴジラ最大の火炎シーンかつ昭和ゴジラ史上最大スケールの都市破壊は見もの。本作品は昭和ゴジラの中でも原点回帰を意識して作られた。
制作田中友幸、監督本多猪四郎、特技監督中野昭慶、音楽伊福部昭、造形安丸信行
通称:メカ逆ゴジ(メガロゴジ流用)・登場怪獣:チタノザウルス/メカゴジラ2/大宇宙ブラックホール第三惑星人・防衛:防衛隊(劇中で第3惑星人は『防衛隊』の呼称を使っている75’)・昭和50年3月15日封切り・83分・上陸地(横須賀上陸シーンはなし)・破壊地(横須賀)・特撮爆破炎上破壊規模AA
人気のメカゴジラをタイトルに据えたが観客動員に結び付かずワーストの97万人を記録した、結果として「昭和ゴジラシリーズ」を一旦終了することになった。前作でゴジラに倒されて海底に沈んだメカゴジラの残骸を、ブラックホール第3惑星人が真船信三博(平田昭彦)士の協力基地のもと復元修理と一見話が繋がっているようだが、登場人物などの関連性がない。独自採点63としたのは、流用の嵐だったチャンピオン祭りの中でオリジナルな特撮シーンが多かったからだ、しかし、折角メカゴジラという強烈な新怪獣登場の期待感の中メカゴジラの逆襲というゴジラシリーズで初の対戦怪獣がタイトルとなった作品にも関わらずメカゴジラがの活躍や前作との継続性が希薄すぎて残念すぎる、チタノザウルス登場させるのは良いがメインで戦ってはダメでしょ。
特撮は第三惑星人のメカゴジラが補修されるドックの映像は、機龍シリーズにも影響を及ぼしたであろうメカニカルなデザインがかっこいい、今作は平成シリーズに続くようなヒントが見られる。チタノザウルスとの都市対決では市街地での格闘があり、またゴジラの顔も柔和な昭和ゴジラの中ではいかつい精悍なルックスになっていてその後の平成シリーズを予感させるような雰囲気だ(66’結構鋭い目線)。特撮の都市破壊炎上シーンはかなり迫力ある昭和2代目ゴジラとしてはおそらく最大の火炎ド派手シーン、久しく怪獣対決はスタジオの野原ばかりだったがやはり都市のセットでの攻防は見応え十分。メカゴジラはゴジラに首をもがれるが前回の経験を生かしその下には強力な電子頭脳ヘッドコントローラーが装備されていた。
ラストは夕日の中大プールを渡って帰って行く。
自衛隊としてのクレジットはないが少しだけ防衛隊が出動、戦車は実機砲撃シーンあり久々に迫力がある、巡洋艦の映像・戦闘機も出てくるがチタノザウルスに落とされる。
先にも書いたが特撮映像としてはかなり頑張っていて、昭和最後のゴジラとして特撮の見所はかなりある作品。そして、その後9年の沈黙に入るがなんとなく平成ゴジラを予感させるヒントが散りばめられている、原点回帰の方向性・重厚で大人が見るにも耐えうる作品作りへの模索・新規造形ではないものの強面な顔つきは原点回帰を意識したのだろう。その後チャピオン祭りは続き77年にキンゴジ、78年は地球防衛軍で終了となる。
そして、意外な事に伊福部昭の「ドシラ、ドシラ、ドシラソラシドシラ」という、いわゆる「ゴジラのテーマ」が復活した作品である。今となってはゴジラといえばこのテーマなのだが当時は「使い回しをしては手抜きと思われ好きでは無い」と断れられていたものを「第一作のイメージに戻したい」と無理にお願いして復活させたとの事。もしかしたらゴジラのテーマが回帰していなければ今のゴジラの姿は無かったのではないかと思うと感慨深い。
時代:カゴジラの逆襲、タワーリングインフェルノ・ゴッドファーザーPARTⅡ・JWAS洋画の配給収入が邦画を上回り、初の"洋高邦低"となった(封切料金¥1000、CICが入場料金を全国一律大人当日1,300円に設定する※実勢価格約半額)、動車保有台数1700万台、ベトナム戦争集結、マイクロソフト設立、国内有名企業の倒産が相次ぐ、山陽新幹線、岡山・博多駅間開業、港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ/ダウン・タウン・ブギウギ・バンド、まんが日本昔ばなし、暴走族、女子中高生の非行が戦後最高を記録、沖縄海洋博開催、第二次ベビーブーム、ベトナム戦争終結
<ファッション>
プリント・シャツドレス、トレンチ・コート、ウエスタン・シャツ流行
<ヒット商品>
ソニー家庭用カセットVTRの第1号機「SL6300」、チルチルミチル(使い捨てライター)
<流行語>
アンタあの娘のなんなのさ、漫画「ガキデカ」の「死刑!」、乱塾、オヨヨ、ニューファミリー
<音楽>
「北の宿から」都はるみ
「シクラメンのかほり」布施明
「およげ!たいやきくん」
「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
<映画・演劇・テレビ・CM>
「青春の門」監督:浦山桐郎
「デルス・ウザーラ」監督:黒澤明
「祭りの準備」監督:黒木和雄
「JAWS・ジョーズ」監督:スティーブン・スピルバーグ
「カッコーの巣の上で」監督:ミロス・フォアマン
チカレタビー(CM:中外製薬)
ワタシ作るヒト、ボク食べるヒト(CM:ハウス食品)
『欽ちゃんのドンとやってみよう!』
『テレビ三面記事・ウィークエンダー』
『ぴったしカンカン』
深夜テレビ
「テレビ三面記事 ウィークエンダー」(日本テレビ)