ゴジラ対メガロのレビュー・感想・評価
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ゴジラとジェットジャガーの友情
昭和ゴジラシリーズ13作目
とにかく予算がなかったこの頃の東宝
にも関わらず愛され怪獣メガロを生み出したことには拍手を送りたい
変な地底人が核実験で怒ったため、メガロを送り出して地球を滅ぼそうとする
メガロの破壊シーンは全部?キングギドラの使い回しで全く危機感がなくて逆に面白い
なぜか途中ガイガンも宇宙から参戦して、またも怪獣タッグバトルが繰り広げられる
ゴジラとジェットジャガーの絡みと、メガロ、ガイガンコンビの不良感がとても良い
ジェットジャガーがボコボコにされた仕返しに最後はメガロがボコボコにされる様子は爆笑なので、後半30分がとても楽しい
なんかこのノリは最新作のゴジラ×コングへ受け継がれている気がする
人間パート?そんなんあったっけ?笑
ストーリー:☆★★★★
怪獣・特撮:☆☆☆☆★
俳優の演技:☆☆★★★
音楽 :☆☆☆★★
「テレビ全盛・変身/昆虫/ロボットアニメブームが色濃い、ゴジラシリーズで唯一メインキャストに女性が存在しない作品」
★独自採点(25):メインはジェットジャガー!チャンピオン祭リ作品、超低予算・短期間(30日)で制作された為過去作の流用が多い。
制作田中友幸、監督福田純、特技中野昭慶(クレジットとしては特殊技術)、音楽真鍋理一郎、造形安丸信行
通称:メガロゴジ・登場怪獣:メガロ/ジェットジャガー/ガイガン/シートピア海底王国人・防衛:防衛隊(36分旧作流用の陸自メーサー殺獣光線車等のシーンあり)・昭和48年3月17日封切り・81分・上陸地(北山湖=本栖湖イメージ)・破壊地()・爆破炎上規模B(ダム破壊以外は流用)
前年からの田中内閣列島改造ブームによりインフレが社会問題化、またこの年はオイルショックも重なり狂乱物価になり映画産業はかつてないほどに打撃を受ける。東宝は前年の自主制作映画がことごとく失敗し大苦境の中超低予算で制作された。時代はテレビ全盛・変身/昆虫/ロボットアニメブームもあり産まれたメガロとアクションできるジェットジャガーが登場したのは必然といえよう。低予算ながらテレビ出演もあったゴジラの造形は目がクリッとして柔和なイメージ、丁寧な造形は映画クオリティを保っている(動きや登場シーンの音楽も軽快、登場時の動きはちょっとブルースリーを意識したかのよう)。本作ではガイガン・メガロの敵怪獣と最初戦うのはジェットジャガーだけでゴジラはしばらく戦わなず後から加勢する形で登場、ゴジラのドロップキックは格闘の見せ場、有名な『木枯らし紋次郎』『座頭市』を真似たシーンは本編にはなくスチールのみ。
予算もあり決戦シーンでは何もない荒野しか用意できなかったが、冒頭のアスカ島核実験の爆破シーンや決戦シーンの火炎は中々、メガロがダムを破壊するシーンは一点豪華主義の見せ場となっている。
スーツは新造形・海ゴジラ海上を泳ぐシーンは発泡ウレタン(カポック)製を使用し上半身のみ利用されている。また、怪獣島から駆けつける際海に飛び込むシーンは南海ゴジが飛び込む旧作シーンを左右反転させて流用、昭和ゴジラは流用が多いがそれを発見する楽しみもある。
時代:ゴジラ対メガロ・日本沈没(12月公開)(封切料金¥800※実勢価格約半額)仮面ライダーV3・マジンガーZ放映、オイル・ショック、光化学スモッグ報告年300日、71〜74第二次ベビーブーム、カラーテレビ普及率75%超え、同棲ブーム、海外旅行者200万人突破 海外旅行ブーム、コインロッカーに乳幼児を遺棄する事件が多発、読売ジャイアンツV9達成
<ファッション>
スニーカー、ジーンズスタイル大流行
<ヒット商品>
オセロゲーム、ごきぶりホイホイ
<流行語>
省エネ、「せまい日本、そんなにいそいでどこへ行く」「ちょっとだけよ」「あんたも好きネ」
ソク(「即席」の「即」で「すぐ、即座」の意味。即席カレーのCMから)
<ベストセラー・コミック・雑誌>
「日本沈没」小松左京
「ノストラダムスの大予言」五島勉
音楽
「神田川」南こうせつとかぐや姫
「危険なふたり」沢田研二
「あなた」小坂明子
「心の旅」チューリップ
「恋のダイヤル6700」フィンガー5
「ひこうき雲」荒井由実(1stアルバム)
映画・演劇・テレビ・CM
「仁義なき戦い」監督:深作欣二
「津軽じょんがら節」監督:斉藤耕一
「燃えよドラゴン」監督:ロバート・クローズ
「エクソシスト」監督:ウィリアム・フリードキン
「日本沈没」監督:森谷司郎
『8時だョ!全員集合』
『子連れ狼』
『マジンガーZ』
蛭子能収、漫画家デビュー
好きなショット:ゴジラが助っ人登場したシーン
ジェットジャガーfeaturing ゴジラ
ゴジラが完璧に脇役になってるゴジラシリーズ13作目です。これまた公式にナンバリングされてるのが不思議な作品でした。
本作のメインはジェットジャガーです。一応ロボットの割にはロボットらしさが皆無なのですが、あれはきっと「つくも神」に違いない!ほら、長い年月使った道具等に意志が宿るってヤツですよ。そう考えれば空を飛んだり、巨大化できるのも納得いきます・・・って無理かな?
しかし、あの若さで、しかも個人で二足歩行ができ、音声入力も可能なロボットを作った伊吹博士はスゴい!今でこそスマートスピーカーが普及して音声入力も一般的になったものの、当時から全く聞き間違えのない音声入力を作ってるとは天才です。人知を越えている。「超音波を使った場合コンピューターの制御が効かなくなる」・・?天才過ぎて言ってる意味がわかりません。ロボットなら全てコンピューター制御なのでは?
それはさておき、シートピアの人はいったい何がしたかったのでしょうか?メガロをそれなりに暴れさせたから満足したのかな?何よりあのファッションにおののきました。深海って太陽の光届かないからメッチャ寒いはずなのに何故あんな薄着?人工太陽で暖かいのでしょうか?あ、深海だときっと布の原料も手に入りにくいだろうから、人工太陽を温度高めに設定して薄着でいられるようにしてるのかも?そういえば空気はどうやってんの?深海で日光届かなかったら植物あっても光合成できないよ?謎だ。
メガロ自体も海底人なのに何故セミ?っと不思議なのですが、よくよく考えると魚モチーフの怪獣だったらエラ呼吸なんで地上破壊できないんですよね。もし、地上破壊を視野に入れて怪獣買ってたとしたらシートピアさん最初っから攻める気満々です。
ハンター星雲人と通信していたのも不思議です。水は電波を通さないのにどうやって深海から宇宙とコンタクト取ってたのでしょうか?300万年前というアウストラロピテクスの時代から海底にいたんで人知の及ばない科学を持っているのかも。
何だかんだでけっこう粗い脚本だったりしますが、ゴジラの水平ミサイルドロップキックを見るためだけでも、この作品を観る価値はあるかなっと思いました。ゴジラさん、技多才やな!
そのツッコミに愛をこめて
ゴジラ・シリーズ第13作。
DVDで鑑賞。
本当に恐ろしい映画です。いろんな意味で。ゴジラ・シリーズの中でも他に類を見ない怪作です。他の方々もレビューで書かれていますが、何しろツッコミどころが満載。
「チャンピオンまつり」時期の作品なので、子供向け映画へ完全にシフトしているとは言え、ここまでハチャメチャだと、逆に「子供なめてんのかよ」てなことになりそうです。
しかしそこにハマっている人もいらっしゃるみたいですし、カルト的な人気を博していることも事実。一概に駄作とは言えません。実を言うと、私はむしろ好きな方なのです(笑)。
初めて見たのは小学4年生の時でした。親にねだりDVDを買ってもらいました。その頃には、この年代のゴジラ映画はライブ・フィルムを多用していることを知っていたので、どのシーンがそうなのか、どれくらいの割合で挿入されているのか、と云う興味がありました。そうですオタクです(笑)。
「モスラ対ゴジラ」の群集避難シーンや、「地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン」でガイガンがセイバー戦闘機を鎌で撃墜するシーン、当時未鑑賞の「サンダ対ガイラ」からはメーサー殺獣光線車の攻撃シーンなど、殆どが流用であることに驚いた覚えがあります。そんなに予算無かったのかと悲しくなりました。
今思えば、この時はまだ子供でした。純粋に作品を楽しめていたからです。と云うか、何も考えて無かったのでしょう。
大人になって、ようやく頭にたくさんの「?」が浮かぶようになって来ました。以下、思ったことを徒然なるままに。
・シートピア海底王国について
元はレムリア大陸で高度な文明社会を築いていましたが、ある日大陸が地殻変動により沈没。彼らは海底都市を築き、独自の繁栄を享受していました。しかし地上人の行った複数回の地下核実験によって、海底都市がダメージを被ったことに怒り、報復を決断しました。平和な暮らしを脅かされたら、そりゃあ怒ります。今回は完全に我々が悪いかも。
地上攻撃のために海底人が寄越した刺客が、王国の守護神である昆虫怪獣メガロ。カブトムシを模したデザインは鋭角で攻撃的だし、結構カッコいい。でも、海底王国の守護神が昆虫とは。海の生き物とちゃうんかい。彼らも元々は地上人だから、神様が昆虫の姿をしていてもおかしく無いと云うことか?
メガロのピンチには、前作で子供たちの心を鷲掴みにしたガイガンが再登場し、救援に駆けつけました。早々の再登場に子供たちは喜んだことでありましょう。ですがここにもいくつかの疑問が。海底人のはずの彼らが、どうやってM宇宙ハンター星雲人と交流を持つに至ったのか。大陸が沈む前から懇意だったのか。ならば、かのゴキブリたちは何をしに地球に来ていたのか。その頃から地球侵略を狙ってたのか?
となると、そもそも海底人は地上侵略を虎視眈々と狙っていて、いい機会とばかりに攻撃を始めたのか。イースター島のモアイが通信アンテナだと云うことは、300万年前からのお付き合いなのか。容易くガイガンを寄越してくれたと云うことはそれなりに友好的な付き合いだったのか。考えても考えても釈然としませんし、興味が尽きません(笑)。
そして、地上工作員2人組がとてつもなくおマヌケ。どんな訓練したらあそこまでお粗末なヤツが出来上がるのか。とにかくダメダメ。無計画なのか、無鉄砲なのか、それとも単なるアホなのか。子供にやられてしまうし…
・ジェットジャガーについて
若き科学者・伊吹吾郎が開発した人型ロボットです。ペンダント状の操縦装置で動かすことが出来ます。シートピア海底王国人の攻撃活動の一環で、メガロの水先案内人として工作員に奪取されましたが、操縦装置のマスターを伊吹博士が所有していたので、意図も簡単に人類側にコントロールが戻り、怪獣島へゴジラを呼びに行く役割を担いました。
ゴジラが駆けつけるまでには時間が掛かります。その間もメガロは我が物顔で暴れ回っている。「自分がなんとかするしかない!」と急に自我に目覚めたジェットジャガーは、自らの意思で巨大化し、メガロに敢然と立ち向かっていきました。
おいおい、マジか!
伊吹博士の見解―「ゴジラが来るまで、自分がメガロと戦わなくちゃいけない。そんな想いがジェットジャガーをあんなに大きくしたんだろうな」。科学者なのに理論的な説明が出来ておらず、まさかの感情論で片づけてしまう始末。それにあっさり納得する周囲(笑)。「あんたホンマに科学者か!?あんたがつくったんやろ!」と思わずツッコみました(笑)。
書き出すとキリが無いのでこれくらいにしたいと思います。いろいろと考察する余地を残してくれていると云うことで良しとしようではありませんか。くれぐれも勘違いしないでいただきたいのは、本作を愛するが故のツッコミであること。好きじゃないとここまで言えない。子供の頃に好きな子をいじめたくなったでしょ。それと一緒です。
特撮面に関しては、ダム破壊シーンが白眉。オーディオ・コメンタリーで中野昭慶特技監督が仰っていましたが、少ない予算での一極集中の豪華さ。都市破壊が殆ど過去作の流用の中、このシーンの迫力は際立っており、怪獣映画の名場面に数えられる出来映えだなと思いました。
怪獣対決は、前作に続いてタッグマッチ。さながらプロレスで、擬人化の極地を迎えていたゴジラたちも、ここまで来ればもはや着ぐるみを着た人間でしかありませんでした。
完成品ではカットされましたが、ゴジラが当時放送されていた「木枯し紋次郎」の真似をして、木を楊枝のように口に咥えるシーンがあったそうな。カットされて良かったです(笑)。
[以降の鑑賞記録]
2021/04/23:Amazon Prime Video
※修正(2024/05/26)
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