「二大東宝怪獣スターの激突!」モスラ対ゴジラ しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
二大東宝怪獣スターの激突!
ゴジラ・シリーズ第4作。
Blu-rayで7回目の鑑賞。
宝田明と小泉博、ゴジラ・シリーズの歴代主演コンビの共演作。総決算な雰囲気がありつつ、ふたりとも以前より演技が上手くなっている気がしました。貫禄もあるな、と…
卵ばっかり食べている藤木悠は「キングコング対ゴジラ」の主演コンビの内のひとり。高島忠夫も出演していたら主演俳優がコンプリートだったのになぁ…。残念です(笑)。
その中に輝く紅一点、星由里子の美しさと来たら無い。若さ溢れる演技で、画面が一気に華やぎました。水野久美と並び、特撮映画の永遠のヒロインだと改めて思いました。
佐原健二と田島義文の悪役コンビが素晴らしかったです。さんざん悪どいことをして、主人公たちや小美人を困らせる役どころ。ふたりの辿った末路に溜飲が下がる想いでした。
モスラが善玉キャラなので必然的にゴジラはヒール。モスラの卵を襲ったり、成虫モスラや双子の幼虫モスラをこれでもかと痛めつけました。三白眼が怖い。悪役ぶりが最高でした。
悪役なのにおっちょこちょいなのは、ギャップ萌えを狙ったのか。テレビ塔に尻尾が絡みついてジタバタ。名古屋城の御堀の段差に躓いた勢いで天守閣を壊してしまいました。
モスラとゴジラの壮絶な戦いは陸と空のダイナミックな画づくりで、シネマスコープ画面に所狭しと展開されて大迫力。考えてみると、操演の怪獣と着ぐるみ怪獣は初の組み合わせ。
モスラの最後の武器である鱗粉攻撃が本作にて初公開。捨て身の攻撃に胸が熱くなりました。残り少ない命を振り絞り、卵を守るために戦う姿から強烈な母性を感じました。
ゴジラ、初の黒星となりました。以降、ゴジラはモスラに勝てないと云うジンクスが生まれました。但しGMKは除く。正確に言うと、インファント島出身のモスラには勝てない。
[追記(2019/01/21)]
今まで聴き逃していましたが、ラストでゴジラが襲撃する岩島から救出された学校の先生の名前が、小林でした。
シリーズ第2作「ゴジラの逆襲」で、小泉博演じる月岡の相棒も小林(千秋実)という名前でした。
同作の小林は月岡の目の前で命を散らしてしまいましたが、本作でその変わりと言ってはなんですが、小林先生を助けられたことで、別の役ではあるものの月岡―小泉博が救われたような気がして勝手に胸を詰まらせました。
[以降の鑑賞記録]
2019/01/21:Blu-ray
2019/11/05:Blu-ray
2020/08/21:Amazon Prime Video
2021/02/07:Netflix
2022/01/01:4Kデジタルリマスター版(日本映画専門チャンネル)
2023/10/27:Ultra HD Blu-ray(4K SDR)