「日本にしか作れない大怪獣」ゴジラ(1954) 柴左近さんの映画レビュー(感想・評価)
日本にしか作れない大怪獣
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まず、戦後10年足らずでこのクオリティーの映画を作ってしまうんだから驚き!外国から見ると日本の底力の方がゴジラよりよっぽど、それこそ怪獣の如く映ったんじゃないかな。
それはともかく、このゴジラ、内容もただの怪獣映画とは一味違う。勿論普通の怪獣映画として見ても申し分の無い面白さ。怪獣の恐怖、人々の葛藤、スケールのでかさ、物凄い威力を誇る秘密兵器…必要な要素はほぼ揃っている。というかこの映画が特撮怪獣映画のお手本と言っても過言じゃない。
そしてこの映画は大迫力怪獣映画と見せかけて、実はもうひとつ違う面を持っている。それは戦争映画というジャンルだ。
ゴジラは元々古代生物の生き残りだという。静かに海底に暮らしていたが、人類の度重なる水爆などの実験により怪獣と化し、さらには住みかも失い、人類が住んでる陸にやってきたということだ。
結局最後は科学者が発明した超強力秘密兵器によって死んでしまうのだが…
アメリカやヨーロッパが聞いたら目を反らしそうな内容だ。しかもまだ日も浅い1954年に…でかした東宝!
何故戦争映画なのって理由をまだしてないじゃないかって?やだなーもうしましたよー。上に書いたとおりですよー。
ゴジラが住みかを奪われた悲しさをヨーロッパの人はどう感じるのか。
ゴジラの最後の断末魔がアメリカの人にはどのように聞こえるのか。
この映画を見て日本人なら何を思うだろうか…
この映画を見れて良かった。やっぱりゴジラは日本にしか作れない。これを外国が作るということは、砂漠で南極物語を撮影するようなもんだ。
間違いなく日本の映画の最高峰の一つ。
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