GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊のレビュー・感想・評価
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もはやS.FではなくS
現代のAIは深層学習と呼ばれる技術によって、プログラミングによって導かれた結論ではなく、エンジニアの意思を介さない擬似的な意思の様なものを得ている。
その為、劇中の人形使いの様に自らを生命体だと主張して亡命を申請する等という事も現実的に起こり得るだろう。
「コンピュータの普及が記憶の外部化を可能にした時、あなた達はその意味をもっと真剣に考えるべきだった」という台詞は2021年現在でも通用する問い掛けだ。
近い将来、人間が生命を構成するあらゆる機能を再現し製造する事が出来る様になった時、はたして人間は新たな生命を生み出す事が出来るのだろうか。
それとも生命を創ることは神のみに許された業なのか。
生命とは何か、生命と呼ぶ為に欠かせない要素は何か。この作品が登場して25年以上経った今でも結論は出ていない。
贅沢なSF体験の85分だった。
IMAX 4Kで見てきました。
音響が格別に素晴らしく、DVDでは分からなかった細かい音がくっきり聞こえたのは感動しました。特に素子とバトーがボート上で聞いたささやき声がはっきり聞こえたのはびっくりでした。
あとやはり数十年前の作品なので、リマスターと言っても素地の限界があるのは仕方がないですが、最後街を見下ろすシーンで綺麗に手直しされてたらそれも違うなって思って、やはりいい着地点だったんだろうなと思いました。
もしイノセンスがIMAX 4Kになったらとんでもなくすごい映像体験になりそうだと思いましたwww
またIMAXの大画面であの美術を堪能できたのは幸運でした。改めて作品を見直してみると、素人ながらに美術の凄さに圧倒されました。最後の対戦車で素子が力づくでハッチを空けようとして、逆に腕の人工皮膚や筋肉が千切れて身体がよじれるシーンは、IMAXの大画面でじっくり見ていると美しいの一言で息をのむおもいでした。
やっぱ難解だけど見応えあり!
以前レンタルで観て以来の2回目。
久しぶり過ぎて内容うっすらとしか覚えてないからやはり難解だったけど、でもIMAXの巨大スクリーン、高音質サウンドで観るのは格別!
見終えてから帰りの電車内でwikiのあらすじ読み「そうだよね!?」と答え合わせするかのように映像を思い浮かべるのはダサい?新しい?(🙋♂ダサい!😅)
士郎政宗作品、数少ない映像化成功例
機動警察パトレイバーで長い雌伏を終え、ようやく日の目を見た押井守監督の代表作。
カルト的人気のSFマンガ家・士郎政宗ファンが見たかった、細かなSFギミック、銃器考証や戦術の正確さ、ふんだんにデジタルを用いて作画した光学迷彩、そしてヒトの魂が変容する電脳世界を、やっと映像化できたのがこの攻殻機動隊です。
残念ながら一部重要なアイテムが出てきません。
ですがそちらはテレビアニメ版で登場していますのでご安心を。
そう、誰もが欲しがる兵器兼ペット、自律思考式戦車のフチコマ(タチコマ)です。
当時、難解なテーマで消化不良でした
「ブレードランナー」や「AKIRA」などの世界観を踏襲し、より推し進めた形で未来を描いたアニメ。
劇場版の「パトレイバー」に感動し、期待して観たのですが、肝心のストーリーが難解で、私にはまったく響きませんでした。
今やスマホやウェアラブル端末で実現した技術を、予言したかのような作品。
多くの海外のクリエイターに影響を与えた作品のようですが、好きではありません。
2016.5.25
終盤のモタつきが悔やまれる
丸腰落下から義体再生迄は映画史に残るタイトルバック。
だから広げた風呂敷を畳めない終盤のモタつきが悔やまれる。
終盤こそ尻上がりにシャープな大傑作エクスマキナ誕生には本作から四半世紀を要する。
また観るが。
一人の人間として生きるとき、その時感じる世間の冷たさや静けさ
本作は予告編や、前情報のみを頭に入れ作品をイメージすると
ハイレグ女性刑事がサイバーパンクの世界をベースに
ハイテク技術を使い、ドンパチやっていることがメインのアニメーションという印象を受けるかと思います。
しかしながら実際鑑賞してみると、その世界は
とても冷たく、静かな世界観でストーリーは進みます。
それは、サイバーパンクの世界観を用いた刑事物というよりは
サイボーグ化され、ネットワークで情報を共有できても
アイデンティティは各個人が持ち、他者とは簡単に意識は分かち合えない、
人間は個別であるということを再認識させるような、
哲学的な内容を感じさせてくれる作品です。
もちろん、マトリックス等のハリウッドアクションに影響を与えている
アクションシーンもとても良いのですが、
私としてはこの映画が持つ、とても冷たい、とても静かな世界観から感じられる
『人間関係とは何か』、みたいなところが好きです。
このような視点で見ていただくと、より一層楽しめるのではないかなと思います。
素晴らしい作品だとは思うけど・・・
脳の電脳化、身体のサイボーク化が当たり前になった未来。「人形使い」と呼ばれる凄腕ハッカーを、刑事である主人公が追う物語。
押井守の名前を世に知らしめた作品です。
映像の精緻さ、パトレーバーから引き続きの小倉氏が描いた街並み。そして「サイボーク化された人間」という設定と「アニメ」という表現方法により、魅力が最大化されたアクション。流石の一言です。
ただ、この映画は草薙元子の自我を求めるお話なのでしょう。「電脳化された知能」に対する不信。自我に対する不安。それに悩み、解消しようとした草薙の物語です。
それはそれで素晴らしいテーマですが、上映時間80分では表現仕切れないもののように感じました。
TVのように12話をかけてじっくりとストーリーを作らないと、この映画の結末は唐突感を感じざるを得ません。
押井監督は大好きな監督さんですが、「毒気が強すぎて制御し難い監督」と言う印象が強くあります。そしてこの作品は、以前の作品と比較して、押井色がストレートに押し出された作品のように感じます。
個人的な好みの話で恐縮ですが、私には「あたる達友引高校の面々」や「遊馬達第二小隊の面々」が程よく毒気を中和した、ビューティフルドリーマーやパトレーバーの方が、より良い作品だと感じています。
初日初回 東銀座東劇にて
原作既読。当時買ったパンフレットやテレフォンカード(!)をまだ持ってます。
押井守氏が映画化するということで期待半分で正直不安も半分でしたが、コメディ要素をほぼ廃したゴリゴリハード路線エロスなしで、原作のエピソードを改変しつつ再構成したストイックで硬派な仕上がりは、原作とは違うアプローチながらも別の高みに到達していたように思います。
不満があるとすればフチコマの不在ですが、そうすると後年のテレビアニメ版くらいのボリュームがないと消化不良になったような気もするので致し方ないところでしょうか。
ボイスキャストは個人的にはこれ以外あり得ません(特に田中、大塚、山寺の御三方)。
公開当時は海外でここまで人気が出るとは思いませんでしたが、今はアニメーション映画のマスターピースという認識です。
そして田中敦子氏の訃報に大ショック。少佐…。ネットは広大ですか…。
AIが発達している現代に観るべきテーマ
まるで2001年宇宙の旅を観ている気分になる。
映像や世界観に圧倒されながらも頭の中で霧がかかったかのように???って感じ。
ロボットが発達し過ぎて区別が難しく逆に人間が珍しい時代。脳や自我は人間だけど体はロボット。果たしてその存在は人間かロボットか。これは一生答えが見つからない問題だ。
アニメだからと舐めて観てはいけない。
映像や音楽は独創性の塊。テーマはサスペンス要素をいれつつも哲学的テーマを扱っている。
3回観てやっとスタートラインというところか。
イノセンスの次に見た!
これが押井守ワールドか。アニメのSF大作は久しぶりに観てみたのだが、これほどまでに哲学的になっているとは思わなかった。電脳、ゴースト、防壁、義体、サイボーグ、アンドロイド、これらの言葉を事前に覚えておかなければ途中で置いてけぼりになってしまいます。
この作品は『イノセンス』の前作という位置で見るのが正解。ストーリーは続編を予感させるように中途半端に終っている。
未だに世界の最前線、最先端にあります
山ほどあるブレードランナーチルドレンの中で、本作こそブレードランナーのテーマに対して真正面から回答をしてみせた正統なる後継作品です
実存とはなにか?
人とは何か?
魂とはなにか?
記憶とは何か?
意識とは何か?
有機ベースとシリコンベースに意識の差異は存在するのか?
生命とは何か?
死とは何か?
本作を見ればマトリックスが如何にうわべだけの理解に過ぎないのかを思い知らされます
正統なる続編のブレードランナー2049も本作で提起された考えを拝借して展開しただけのものでしかないとよく分かります
本作公開から四半世紀が経とうというのに、未だに本作が到達した地点を踏み越えていく作品はありません
如何に革新的であったのか
ブレードランナーはフィリップ・K・ディックの原作が提起したテーマを見事に映像として展開しました
本作はその問題提起に対して、より深くより突き詰めて考察を先に進めています
本作のテーマはそこにあるのです
それこそが本作の価値であり意義なのです
近未来のリアリティなどはその考察の説得力を補強するためのものです
何も未来予測がテーマなどではないのです
マイノリティレポートとは未来技術の描写への立場は決定的に異なるのです
香港ぽい街並みのイメージ
旧式ぽいジェット旅客機機のシルエット
そこに意味はないのです
近未来であり、インターナショナルが進み
ハイテクノロジーとローテクが混在する21世紀というメッセージが伝わる事が重要なのです
いよいよ本作の世界は近づいて居ることは、誰の目にも明らかになってきました
このような世界をリードするクリエーティブを発揮する異才が日本のアニメ分野には集積していたということを本作は証明しています
エンドクレジットの大量のクリエーターの人名はその層の厚みを物語っています
逆にいえば実写の日本映画界にはこのような最先端の才能が集積しなかったということです
このような高い教養とイマジネーションを併せ持った人材を獲得し雇用維持できる業界としての魅力も、活躍する場も提供出来なかったということです
しかし、本作を超えていく作品はアニメにも、ましてや実写にも、四半世紀が経つにもかかわらず無いという現実は、彼らのクリエーティブティを発揮する為のビジネスとしての仕組みの不足、資金を供給する為の仕組みが、不足しているということを示しているのではないでしょうか?
彼らのクリエーティブティにそれが制約を与えているのではないでしょうか?
大変に勿体ないことです
クールジャパンに必要なことはこの制約を無くす事だと思います
そろそろ本作を踏み越えて更に先に、誰も観たことの無い映像、イマジネーションを観てみたいです
閉塞感漂うこの先にどのような地平が広がっているのか
そのパースペクティブを全世界に問う作品を観たいものです
電子の海 魂の在り処 自分という存在
"GHOST IN THE SHELL" シリーズ第1作。
Ultra HD Blu-rayで5回目の鑑賞。
原作マンガは既読。
何回観てもムズカシイ。高度に情報化された世界では自分と云う存在を定義することすら困難になる。自分はここにいる、しかしそれを確かめる術とは、これまでの記憶や周囲による認識しか無い。それらが全て誰かに植えつけられた幻だったとしたら、じゃあ私は誰なのかってことになっちゃう(笑)。
なんともあやふやな定義の下で生きていたのかと衝撃的でしたが、それをも揺さぶって来る凄腕ハッカー・人形使いの主張―「私は情報の海で発生した生命体だ」。つまり、全ての鍵を握るのは情報と云うことなのかなぁ…?
哲学的なやり取りがあったり、何かの引用があったり、押井守監督らしい演出が散りばめられていて、結局本当のところはと云うと難しくて分かりませんが、己自身を確かに持っておけば揺らがないよ、みたいなことかしら?(笑)。
[以降の鑑賞記録]
2020/10/13:Ultra HD Blu-ray
※修正(2024/06/22)
ゴーストの在り処は
テーマ曲、川井憲次の「謡」に合わせて描かれる貧民街のシーンや、印象的なセリフの掛け合いで問いかけてくる個とは何かというメッセージ性。
士郎正宗原作に比べてかなりクールに描かれる少佐も機械的な色気があってかなり良い。
ビジュアル・BGM含めて文句無しの傑作だと思います!
ゴーストをハックする人形使いを探せ
・オープニングで義体の生成過程が示される
・アジアのノミの市の美術が素晴らしく、作品の世界観の大部分を担っていた
・BGMだけが流れ、雨の降る街並みの描写や戦闘準備の様子が長尺で流れる
・9課VS6課(外務省?)、外部かと思いきや敵は内部にいる
・プロジェクト2501、人形使い計画
・容赦ない草薙素子の人体破壊描写にしびれる
・最後はデータの人形使いとひとつになった少女素子がバトーの元を離れるカットで幕
・ひとつの事件がひとつの時間軸で動くので分かりやすい内容だった
・電脳世界で会話したり情報捜査するのが当時としては新しかったのかな
・緑色のデジタルエフェクトがカッコいい、電脳空間にいくことを「タイブする」
・透明になる光学迷彩、指先が複数に分かれてキーボードをたたく、同じ顔のオペレーターなどのSF表現もくすぐられる
95年に観てたら
もっと評価したかもしれない。目新しさや意外性を今観て感じないということは、現実がこの映画に追い付きつつあり、あまり差がなくなってきたということなのかもしれない。そう考えるとそれだけ先見性が高かったと言えるだろう。
日記を読んでいるような
評価:つまらない
、が地味でリアル。。
現実とは遠い架空の世界を垣間見ているような、気がする映画です。
ストーリーとか殆どありません、
ただ、特殊隊員の日常をそのまま切り取ってきたような映像です。
海外など自分が全く知らない場所に旅行に行くとワクワクしませんか?そんな気持ちが沸き起こってきます!
テンポが悪く、意味不明な場面も多い
採点=40/100
機械の体を持った主人公の女性警察官が悪を倒していく話。
内容は最悪。テンポが悪く、意味不明な場面も多い。途中で眠くなる。しかも物語自体がひどく、到底 楽しめるものでは ない。
映像が美しいのは認めるが、これは映像をぼーっと眺める映画では なく、ストーリー映画である。映像だけが きれいでも満足できない。
金をドブに捨てたい人以外は見るな。
ツァラトゥストラ
海面に上がる心地、山を下る心地。
匂いまで伝わる繊細な画面、象徴的且つ寄り添う音楽、キャラクターの仕草や動作、声優の上質な演技に大脳を掴まれた。
作中に直接的に引用されている「コリントの信徒への手紙(13章) 」は12節までだが、素子の言葉はその後の節まで示している。
ならば13章の終わりまで到達するとみて、間違いないだろう。
意訳すると、「人生の最期に残るもの。それは、信仰、希望、そして愛。一番大事なものは愛だ。」
ネットワーク社会をインドラの網と解く本作は、自己否定の祝福であり他者肯定への祈りである。
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