劇場公開日 1936年4月30日

「すっきりしない話だな」河内山宗俊 タンバラライさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0すっきりしない話だな

2023年6月18日
PCから投稿

この作品を酷評すると映画ファンとしてレベルが低いと言われそうなんだが。私はこれの脚本がよくかけてると思えない。こんな根っからしょうもないド腐れ野郎が急にシャキッとするかっての。そのシャキッとするところまでの話の内容があまりうまく描けてないので、急に・・っていう感じがするのだと思う。ドクサレ野郎が頭にくるもんだから主人公たちがドクサレ野郎のために頑張ってるみたいな感じになってしまっている。心中しようとした幼馴染が女郎屋でどのような地獄な目に遭っているかを知る。・・というところをしっかり描いていくと、多分そこがちゃんとできたんじゃないかと思う。しかし、それを描くと地獄すぎるので描けなかったのかもしれない。時代を考えると予算のせいかもしれん。それから手に入れた300両はどこに行ったか描かれてないので、すっきりしない(台詞が聞き取れなかっただけかもしれない。)。本当にその300両持って、そこへ行ったら取り返せるかどうかも。そして取り返した後、どこへ行くんだ?

全体的に脚本が手抜きな感じで、もうちょっと頑張ればもっと良くなったのに残念だという印象を受けた。しかしまあ、時代を考えると、それもいたしかたなかろう。いや、むしろ最初の伏線がクライマックス前のところで見事に生きてる点なんか驚嘆すべきなのかもしれない。

それにしても、この時代の人たち。真冬だというのに、なんて薄着なんだ。

タンバラライ