絞殺のレビュー・感想・評価
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子供を殺して、執行猶予付いて、良かった? 演出も考えて貰いたい。 僕ならフリー・ジャズを聞く
この頃は校内暴力がひどい時期だった。そして、僕は教師になるのをこの頃諦めた。教育実習を残して諦めた。実習を行う中学で、新聞に載る様な校内暴力があったからだ。
僕にとっては、就職を控えた、前途洋々な時期だったが、この映画の様にモラトリアムな暗い時期になってしまった。従って、この映画が、あり得ない、そして、つまらないバカバカしい話だとどうしても思いたくなる。
しかし、
こういった相関関係(親子関係など)だけは今でも続いている。時期が早まり中2病とか言うそうだが、人間の本性なんだと思う。
しかし、しかし、新藤兼人さんの脚本だと言うが、こんな脚本書いていたんだ。
兎も角、この映画の様な、ぎこち無い崩壊寸前の学歴社会に勝ち残った連中が、現在の行政を司る奴らと言う事になる。だから、日本の行政も前途多難だ。ゴジラが攻めてきたら『お母さん、どうしょう!』って言うのかなぁ?そして、現在の学歴社会も昭和の頃とあまり変わらない。いやいや、ひどくなっているかもしれない。行政の多難はこれからも続く。と言うことだ、
僕にもこんな時期(反抗期)がなかったとは言わないが、こんな事ありえない。被害者が、何に怒りを感じているのか?全く理解できない。がしかし。
新藤兼人監督をディスったが、時系列でもう一度整理すると、とんでもない事が分かった。僕は当初その事件がこの話のモデルだと思っていたのだが。
この映画公開の一年後に『金属バット事件』が起きている。被害者と加害者は全く逆であるが、状況は妙に似ていると思う。さて、この時期は類似する事件はまだまだあったと記憶するが、初頭に申した『校内暴力』然り、殺気立っていた時期なのかもしれない。いずれにしろ、新藤兼人監督は正に予見してしまったのである。しかし、作品は駄作だと言わざるを得ない。
エディプス・コンプレックス
冒頭で荒れた高校生の息子勉の飲酒シーンからの父親(西村晃)の絞殺シーン。そこから公判を応援する近所の人たちが映し出され、やがて勉が荒れる原因となった物語が紡がれていく。
絶妙な脚本になってるな~と感じたのは、裁判所、拘置所とあれこれ指示を出しながらも目的地がはっきりしないタクシーの客・狩場良子と運転手の描写。実際にタクシー運転手をやってると、この心境がよくわかるし、うつろになった乙羽信子の様子が絶妙だった。
ただ、勉や恋人となる初子の思い出シーンが雪の蓼科でのセックスシーンなどが残念でならない。彼女が自殺をする要因となった義父による性的虐待などは現代にも通ずるし、それが汚れた大人の罪という点では普遍的なものが感じられる。もっと初子の悲壮感ぶりを描いてあったら高評価になるのだろう。
息子を一流大学に進学させるためだけに引っ越しを決意した両親。父の仕事が喫茶店経営という微妙な設定も面白いけど、どこかスッキリしない親子関係。遺された手記を見る限りではエディプス・コンプレックスという森本レオ医師による診断は間違ってないと思うし、大人社会の男が全て汚いものに思えるのも納得。やがて家庭崩壊へと繋がっていくが、父が息子を理解したときには全てが手遅れとなっていた。裁判では執行猶予4年がついたけど、虚しさだけが残る内容でした。
衝撃的な事件を題材にした新藤監督独自の崩壊する家庭愛憎劇
高度成長の経済大国日本の現状は、外面上の発展とは裏腹に多くの問題を抱えている。簡単に言えば、肉体の栄養と精神の充実が矛盾した社会世相である。それが個人の次元で注目すべきは、家族の崩壊と、個人主義が利己主義に陥る教育の問題である。その意味でクローズアップされた事件があった。2年前に起こった開成高校生殺人事件である。進学校の高校生が家庭内暴力で両親に反抗、このままでは自分が殺されると恐れ追い込まれた父親がひとり息子を絞殺するという悲劇だった。しかも、一度は父親の犯行を是認した母親が、息子を返せと書き遺して自殺してしまう痛ましい連鎖が続いた。この事件に触発された新藤監督が創作した問題作である。この複雑で難解な問題をどう描いたのか、無関心では見学できなかった。
ところが予想とは違って、新藤監督が描きたかったのは、一人息子を想う母親の母性愛であり、そこには近親相姦の色合いの強い親子関係が大部分を占めていた。社会問題としての主張はなく、新藤監督が得意とする母子関係の愛憎劇の切り口は妥当であると言えるかも知れない。その為に、あくまで特殊な事件の個人的見解の表現に終わってしまう結果になった。
ドラマの創作としては、主人公勉の恋人が重要な役割を果たす。彼女は連れ子で養父の家に来るが、実母が亡くなり養父と二人だけの生活になる。そこでは肉体関係が強制され、その苦しみに耐えかねて彼女は自殺をしてしまう。口では奇麗ごとを言いながら、蔭では汚いことをする大人に対する、繊細で未成熟な多感期にある少女のどうしようもない抵抗が、そこにある。勉が突然に暴力を振るうようになった原因の一つになってしまった。勉の父は祖父の遺産で人並み以上の生活を享受してきたが、他人には冷たく思いやりに欠ける教育者である。勉はそんな父を侮蔑し、こんな男に従うように生きてきた母親に憐みを感じる。それは異常な愛情表現に形を変える。ギリシャ古典悲劇のような脚色である。
結局のところ、新藤監督の個性的な演出は面白く仕上がっていた。勉が恋人と雪国に旅して、白い平原で性体験するユニークなシーンや、子供時代の幸せな時間のフラッシュバックは綺麗にまとまっている。難しい題材の新藤監督の個性的解釈の力作である。演技面では乙羽信子の熱演が見事。ただし、社会的視野の見解が弱いので評価はそれほど高くは出来ない。
1979年 12月6日 飯田橋佳作座
なんでおすすめに出てきた?
プライムビデオのオススメに出てきたので鑑賞。
ずいぶん古い映画だな〜、最後まで見れるかな?と不安だったが結構見れてしまった。
息子が父親に絞殺されるところから始まる。
息子は父親、母親からものすごく期待されていた。とにかく良い大学へ行け、学歴が1番大事だ。お前のおじいちゃんも物凄い人だったんだぞ?と、すごいプレッシャーをかけられている。
母親も息子はできる子、あなたなら大丈夫と
期待している。
学校の先生も、学歴命。とにかく、頑張れ。
そんな環境の中で、息子はストレスを感じていた。
好きな子は、父親に(実の父親ではない)
性的暴行をうけている。
大好きな母親は、大嫌いな父親に夜中体を許している。
色んなストレスが、精神を不安定にさせていた。日に日に息子の状態は悪化。
母親にレイプ未遂。父親に暴力。酒を飲むようになった。
身の危険を感じた、父親は息子を絞め殺してしまった。母親はその後、自殺。
とくにじっくり見なくても、わかりやすい映画。ひねりもないし、ただこういう本当の話があったという記録?みたいな。
今の自分自信が感じたこと。
私には息子がいるんだけど、
この映画見たらなんだか子育てが不安になってしまった。
立派な大人になってくれるように
親としての責任がある。けど、もっとできるんじゃない?って期待しすぎてしまったり、
こうなってほしいっていう理想をぶつけてしまったり。我が子だから、きっと、私が思っていることを自分の子も思っているだろうって
そんな気持ちになることがよくある。
まだ幼いけど、幼いなりにも自分の考えがあって、ああしたいとか、これは嫌だとか。
そういうのを否定するのではなくて、
子どもの気持ちに寄り添える母になりたいと思った。
なんでおすすめに出てきた?
でも、おすすめに出てきてよかったかも。
明日からもっと我が子に寄り添って
可愛がって、子育てがんばろっと。
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