「加賀まりこの魅力が半端ない仏ヌーベルバーグ風のとてもお洒落な映画」月曜日のユカ Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
加賀まりこの魅力が半端ない仏ヌーベルバーグ風のとてもお洒落な映画
中平康 監督による1964年製作(93分)の日本映画。配給:日活、白黒映画。
舞台はお洒落な横浜。加賀まりこ(1943年生まれ)が若い頃、こんなにお洒落で小悪魔的魅力満開であったとは驚き。
貿易商でお金持ちのパパ(加藤武)がいて、誰とも寝るがキスは許さず教会に真面目に通い、男を悦ばせるのを生き甲斐とするという主人公ユカの設定も、かなりぶっ飛んでいる。しかし、斎藤浩一・倉本聰脚本(今思えば何とも豪華!)と中平康演出がそれにリアリティを与え、彼女の可愛さ・美しさ・生真面目さを、上手く引き出していた。
パパの存在承知でユカと付き合っていて生真面目で結婚を申し込む青年役が中尾彬。彼には普通に独占欲が有るが、ユカにはそれが全く理解出来ない模様。それには北林谷栄演ずるユカの母の存在がある様で、愛人となっていた米軍兵士相手にいかに尽くしたかを娘に熱心に教授するケッタイな母親。
物語進行はかなり仏ヌーベルバーグ調で、恋人中尾彰もパパの加藤武も、事故で亡くなってしまうが、動揺もせず何事もなかった様に歩いて行くユカ加賀まりこの映像で映画は終わる。未来が開けている若き美しい彼女にとっては束の間の出来事ということか。
加賀まりこの髪型(ヘップバーンに似せた)がとても素敵だったが、撮影所の美容師ではできないために、自分で苦労してセットしたらしい。また衣装や毛皮も、めちゃお洒落に思えた。黛敏郎によるジャズっぽい音楽もお洒落なこの映画と良く合っていて、印象に残った。
監督中平康、脚色斎藤耕一、 倉本聰、原作安川実、企画水の江瀧子、撮影山崎善弘、美術大鶴泰弘、音楽黛敏郎、録音橋本文雄、照明森年男、編集辻井正則、スチル斎藤耕一、衣装レイ落合、毛皮提供 築地・斉藤毛皮店。
出演
加賀まりこユカ、北林谷栄ユカの母、中尾彬修、加藤武パパ、波多野憲奇術師、ウィリアム・バッソン船長、牧師ハロルド・コンウェイ、梅野泰靖、日野道夫、フランク・スミス、
榎木兵衛、堺美紀子、谷隼人、山本陽子。