「テレビ版よりスケール感がある日本ヒーローものの元祖」月光仮面(1958) papatyanさんの映画レビュー(感想・評価)
テレビ版よりスケール感がある日本ヒーローものの元祖
日本ヒーローものの元祖「月光仮面」。当時は小学生で、まだ自宅にテレビがありませんでした。嬉しい事にテレビ版の大人気により、東映が2年間に6本「月光仮面」を映画化、映画館で夢中になって観たものです。テレビ版よりスケール感があるのは、制作費の違いもありますが、豊田四郎、黒澤明監督らの巨匠に師事し、東映警視庁シリーズの基礎を作った「終電車の死美人」や「点と線」を撮った小林恒夫監督の職人技で、「月光仮面」は日本映画名作全史・戦後編(猪俣勝人・著)にも選出されています。小林監督は、のちにTV映画「スパイキャッチャーJ3」「柔道一直線」や円谷プロの「怪奇大作戦」「マイティジャック」なども監督され、今は少なくなった職人監督さんだと思います。脚本は原作者の川内康範が自ら執筆、キャストは大村文武、峰博子、小宮光江、柳谷寛、若水ヤエ子など懐かしの顔ぶれです。プロレタリア演劇運動の佐々木孝丸と原泉(バテレンお由役)が、奇怪な衣装を纏っての名演も面白い。どくろ仮面篇は「月光仮面」「月光仮面 絶海の死斗」の前後編2部作となっており、好きな映画の1本、お薦めです。
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