「今こそ観るべき作品ではないかと思います」激動の昭和史 沖縄決戦 あさちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
今こそ観るべき作品ではないかと思います
尊敬する岡本喜八監督と日本映画界の巨人、新藤兼人さん脚本の豪華タッグで撮り上げ、大阪万博の翌年に全国公開された
今ではすっかり埋もれたこの傑作がAmazonプライム・ビデオで今なら400円でレンタル可能だ
敗色濃厚な日本政府は米軍の侵攻を遅らせるため、沖縄を防波堤に変えるべく沖縄住民を強制的に巻き込む軍民一体体制を構築
軍隊が民間人を護るどころか真逆のことを強いた
軍は住民を様々な方法で行動を共にすることを強要。そのため米軍も民間人の区別が付かず無差別に殺戮。そのおぞましく忌むべき事実が今、日本人の中でさえ風化しつつある
岡本喜八節全開でスピーディーかつユーモアまで交える手法を選び、敢えて悲劇を悲劇らしくウェットに描くことなく、心の奥底へリーチすることを勇気を持って選択している
戦後80年の今こそ観るべき作品ではないかと思います
ジブリを大金かけて何度も放送するのも決して悪くはないが、地上波でたった一度でもいいから、放映する勇気のあるTV局はないものか?
「人間の條件」も放送されないネ
冒頭部に軍民一体を加速させる契機として淡々と描かれる対馬丸事件
こちらの周知度も気になる
生存者には箝口令が引かれたため
戦後長きに渡り語られることがほぼ無かった
戦後80年 清算されない歴史がまだまだ多くあり、子孫へ課題として積み残したままだ
沖縄決戦の犠牲者
米国側は1万2520人。日本側はその15倍、18万8136人が亡くなったとみられている。このうち沖縄県出身以外の日本兵は6万5908人。沖縄県出身の軍人・軍属(正規の軍人、防衛隊や学徒隊など)は2万8228人。一般住民は9万4千人。沖縄県民全体では12万2千人以上、県民の4人に1人が亡くなったといわれている。
戸籍が消失し、家族全員死亡などで証言なく、いずれも推計した数字だ