劇場公開日 1968年2月17日

「関電社長のセリフが印象に残る」黒部の太陽 K・Mさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0関電社長のセリフが印象に残る

2023年1月20日
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鑑賞方法:DVD/BD

興奮

冒頭は宇野重吉の呟きから始めて、仙人谷ダムの工事がいかに凄惨な生き地獄だったかを見せ、重機のシーンに繋げてから主要人物を紹介したほうが解りやすいのでは。

「経営者が十割の自信を持って取り掛かる事業は、こんなものは仕事のうちに入らない…」
このセリフは印象的だったけれど、神妙な面持ちの背広親父たちを序盤でいくら見せられても、観客には黒部峡谷がどれほど広大なのかピンとこない。
黒部の全容と破砕帯が何なのかを最初に動的な説明で見せてほしかった。

一転、工期と人命に翻弄される三船と裕次郎たちを容赦なく襲う崩落と出水の迫力は素晴らしい。
絡み合う人間模様と相まって、クライマックスへの高揚は圧巻でもある。

省略が巧く出来ていれば長年、観られずにいたための期待度と満足度が相殺したのですが…
とはいえ、仕事に殉じた男たちの姿と三船さんの男気、裕次郎さんの熱意に敬意を評して4を押します。

ちなみに自分は50代後半なので、石原裕次郎と云えばTVドラマの重鎮というイメージです。

K・M