劇場公開日 1968年2月17日

「ジェットモグラとかマグマライザーとか轟天号があれば早いのに」黒部の太陽 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ジェットモグラとかマグマライザーとか轟天号があれば早いのに

2020年6月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 三船プロダクション+石原プロモーション+劇団民藝。ダム建設がメインかと思いきや、ほぼ関電トンネル工事の話でした。熊谷組の工場内にセットを組んでおり、工事の様子などは人が死んでいてもおかしくないほど迫力があります。さらに静かになったときの支保工から聞こえてくる軋み音が不気味で、怪獣が出てきそうなイメージ。怖い・・・

 フォッサマグナ、破砕帯、切羽、シールド工法、その他専門用語も多いのに、全く違和感なくストーリーは進み、トンネル内の閉塞感や見たこともない実際の重機など、勉強になること多々。工事中に落盤事故とかいっぱいあったんだろうな~と調べてみたら、171人の死者が出たとか。宇野重吉が黒三は300人と言ってたから、少なく抑えた方なのだろう。

 実在の建設会社をそのまま表記していることも特徴なのですが、北陸に住む人間にとってはなぜ関西電力?という疑問も沸き起こる。とにかく、まだ黒四ダムには行ったことがないので、死ぬまでにはこの目で見てみたい!

 貫通のシーンには思わず涙も出てくるのですが、なぜか裕次郎の演技が今一つ。やっぱり仕事人間だった三船敏郎が娘の白血病に驚くところに悲哀を滲ませていた。また、実際の親子でもある宇野重吉と寺尾聡も良かった。加藤武は金田一耕助シリーズと同じでした・・・

kossy